すぐに使える!傾聴のテクニック7選!

看護学生時代から耳にタコが出来るほど言われる“傾聴”という関わりについて説明します。

知識だけの一筋縄ではいかないのが臨床です。実践において「難しいなぁ」と感じる方も多いかと思います。

「じゃあ傾聴って実際はどうすればいいの??」

という方に、重要なテクニックである“傾聴”について、意識するだけでスキルが一気に上がるコツを7つ紹介していきたいと思います。

1.場所の設定

患者さんの話を聞くとき、患者さんの部屋で聞くことが多いかと思います。

病棟の種類にもよりますが、総室(4人部屋などの複数人の部屋)では他の患者さんにも会話の内容が聞こえてしまいます。

疾患について、家族関係などの繊細な内容は患者さんのプライバシーに配慮した空間で行う必要があります。

また傾聴からは少しズレますが、個室の患者さんであっても真剣な指導や振り返りを行う場合は“カッチリとした場面設定”という意味で面会室や診察室などの場所を使用して話す場合もあります。

傾聴を実践する上で、まず患者さんが話しやすい場所を整えることが必要です。

2.時間設定

患者さんは、「たくさん話を聞いてほしい」「かまってほしい」という場合もあります。

患者さんと対等な傾聴関係を築く上で必要な考えの一つに、聴く側の立場の保証があります。

ずっと聴き続けることは聴く人の負担やストレスになり、傾聴のポイントを損なうリスクがあります。そこで必要なのが時間設定です。

心理士の行うカウンセリングも、1回60分などの時間設定を行っています。

「業務の関係で15分しか時間が作れませんが、15分間はきちんとあなたの話を聴くので、聴かせてください」と正直に患者さんに伝えてみましょう。

少し眉をひそめる患者さんもいるかもしれませんが、看護師と患者の関係の範囲内で話を聴く上で必要になります。

3.相づち

相づちには、

  • 会話のテンポ作り
  • 話を聴いている合図
  • 会話の続きを引き出す返事
  • 自分の意思表示

などの意味があります。

簡単ではありますが相づちを意識して使うだけで、かなり幅が広がります。

これについてはじっくりと説明したいので、別の記事で詳しく解説していきたいと思います。

4.オウム返し

オウム返しには相手の言ったことを復唱することで理解を共有する意図があり、患者さんには「聞いてもらえている」という安心を与えられます。

これはとてもシンプルですが、バックトラッキングという立派な技術です。

新人の時の僕は「相手の復唱をするだけなら簡単じゃん」と思っていましたが、実はとてもスキルの差が出るのです。

お料理に例えると目玉焼きのように、簡単で手軽に出来るけれど「半熟トロトロに焼くのは難しい」ですし、「甘いのもしょっぱいのもある」というような感覚です。

そんなオウム返しにおいて特別重要なポイントは、相手の言葉をそのまま使うことです。

失敗例を見てみましょう。

(例1)

Pt「彼氏に振られて辛いです。」

Ns「そっか、振られて悲しかったんですね。」

(例2)

Pt「彼氏に振られて辛いです。」

Ns「そうなんですね、彼氏に振られて寂しいんですね。」

これらはどちらもオウム返しではありません。

患者さんが言ったのは「辛い」であって、「悲しい」のか「寂しい」のかはまだわかりません。「悔しい」の可能性もあります。

このようなズレを生んでしまうと傾聴は失敗になるので、患者さんが「辛い」と言ったら「辛い」と返しましょう。

このようなズレを生んでしまうと傾聴は上手くいかないことになるので、患者さんが「辛い」と言ったら「辛い」と返しましょう。

(良い例)

Pt「彼氏に振られて辛いです」

Ns「そうなんですね、彼氏に振られて辛いんですね」

Pt「はい、これから私を支えてくれる人がいなくなるのが不安です」

このように“辛い”の中身が少しずつ表出されるのが理想形で、「どんな辛さですか?」というような質問をせずに相手の心情を知ることが出来ます。

「どんな辛さですか?」という質問は一般的には不適切とされています。しかし精神科では情報収集に気を取られて、そのような“デリカシーのない質問”をぶつけてしまうこともあるので注意しましょう。

意識して同じ単語を返すことが、オウム返しで重要なポイントです。

5.うなづく

うなづくことはみんなが何気なく行っている動作の一つです。

しかし、技術として意識して使うことで非常に大きな役割を持ちます。

僕の感覚としては、多弁傾向とは違った、落ち込んでいて言語化が難しい患者さんに対して有効な手段です。

患者さんの発言を聞いてから、患者さんの会話のトーンに合わせてうなづきます。

悩み事や深刻な話の場合、10秒から30秒くらいの間をあえておいてから「ん~、うん」と真剣な表情でうなづきます。

うなづくまでのペースと同じくらい待ってみると、こちらから質問しなくても患者さんが続きを話してくれます。

自分が知りたいことを患者さんが自分から話してくれると不思議な感覚になります。

患者さんによっては一言話すまでに10分ほどかかる場合もありますが、その場合も無言で、静かに時々うなづいて待ちます。

無言は悪いことではありません。

業務や情報収集に追われて、沈黙を待てないのは看護師の方なのかもしれない、と実感するスキルです。

6.会話のまとめ

患者さんとの良好な関係を継続するために、患者さんの発言をまとめてフィードバックしてあげましょう。

患者さんとの会話の内容を④のオウム返しで説明したように患者さんの言葉で要約します。

「〇〇さんはこんなことがあって、こんな風に感じたから、今こんな気持ちなんですね」という程度で十分です。

このように患者さんに伝えることで患者さん自身の思考の整理を助けると同時に、看護師にちゃんと聞いてもらえたという実感を与えられます。

7.感謝を伝える

最後に退室する際、「おはなしを聞かせてくれてありがとうございます。」や「辛い気持ちを言葉にしてくれたから、伝わってきましたよ。」という感謝の気持ちを伝えてみましょう。

患者さんに「話して良かった」という安心感を与えるとともに、「また看護師に話してみよう」という関係構築に役立ちます。

まとめ

普段無意識にテクニックを使っている方もいるかと思いますが、この記事を読んで意識してテクニックを使うことで、さらなるステップアップができるかもしれません。

さらに理解を深めたい方のために記事を作成中ですので、お楽しみに!

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参考文献

プロカウンセラーの聞く技術,東山紘久

看護師S田さん
看護師S田さん

京都大学卒業後、とある病院で看護師として勤務しながら、看護師の知識向上のため、「ナースイッチ」を創設。日々臨床と研究を両立しながら看護に向き合っています。

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