精神科ナースが個人情報を聞かれた時の対処法

こんにちは、精神科ナースのS田です。

看護師として働いていたら、患者さんに自分自身のことを聞かれることがあります。

「独り暮らし?」「彼氏居るの?」「休みの日は何してる?」

こんな質問について、精神科では特に配慮をして濁さなければいけません。

今回は、特に精神科で看護師の個人情報を言えない理由と、個人情報を聞かれた時の対処法について解説していきます!

精神科以外の病棟に勤務している看護師さんでも、男性からのアプローチに悩んでいる女性ナースの方や新人ナースの方は是非参考にしてみてください!

個人情報を言えない理由

一般的に、個人情報についてはそれぞれ「話したくない」というパーソナルスペースがあるかと思います。

看護師という職業では、自分が「話したくない」「話しても大丈夫」という判断に関わらず、患者さんに伝えない方がよい個人情報があります。連絡先や恋愛事情なんかがそれにあたります(看護師以外の一般的な職業に関しても同様のことがいえます)。

精神科では、患者さんの症状によって接し方が大きく変わり、外部からの刺激を入れる関わりや、刺激を遮断する最低限の関わりなど、患者さんの病状に合わせた関わりが求められます。その中でも、個人情報を伝えない方がいい理由をいくつか紹介します。

1.患者さんの自己肯定感への影響

精神科に入院している患者さんは、自己肯定感がとても低い場合があります。

そんな患者さんに入院生活で日常的に接しているのが看護師なので、患者さんにとって看護師は自身との比較対象になってしまいます。

極端な例を紹介すると

「私がこんなに死にたい気持ちなのに、この人はどうして生き生きしてるの?」

「この人は休みの日はお出かけしてるのに、私なんて入院させられてて不幸だわ」

「私は彼氏とのケンカで自殺企図したのに、この人は恋人と幸せそうね」

というように、自分の置かれている状況と目の前に居る看護師を比較して卑下を生み出してしまいます。

「正直、こっちはなんにも悪くないんですけど!!!」って思ってしまいます(笑)

ただ、患者さんにとっての比較要素を増やさないためにも看護師のプライベート事情は患者さんには控えておきましょう。

2.患者さんからの執着

患者さんは看護師を異性として見てしまったり、同性であってもより近づきたいと思ってしまうことがあります。そのような現象を陽性転移といい、詳しくは別の記事で解説しています。

このような現象が起きたとき、患者さんは看護師との距離を縮めるために看護師の個人情報を知ろうとします。

S田が実際に個人情報を話してしまった・知られてしまった経験を例にすると

  • 好きな服のブランドを話したら患者さんが同じブランドを買い漁り始めた
  • 通勤車両のナンバーを覚えられていた(夜勤とかで出勤したときに見られていたらしい)
  • お弁当を自分で作っていると話したことで、毎日お弁当のメニューを聞かれるようになった

なんてことがありました。

患者さんは看護師に少しでも近づいたり、看護師の気を引いたりしようと色々な形でアプローチしてきます。ラブレターなどのようなわかりやすいアプローチならこちらも対応しやすいですが、日々の関わりの1つ1つに影響する内容であれば、看護師にかかるストレスもかなり大きいところです。

精神症状によって他者との距離を保てない精神科だからこそ、こちらの個人情報は上手に守ることが必要なのです。

対処法

1.キッパリ断る

質問されたときに「それは個人情報なので答えられません」とはっきりと伝えます。

患者さんからすると「ノリが悪い」と感じるため、少し距離が空くことが予想されます。

しかし実際にはそのくらいでちょうど良いのです。

患者さんの陽性感情が強くなってから看護師が拒否を示した場合は“手のひら返し”になることもありますが、そのような場合は看護師全体でフォローし合う体制が重要です。

2.やんわりと濁す

やんわりと濁すのは、女性なら処世術として身に着けているスキルの1つかもしれません。

やんわりと濁すメリットは、こちらの断る時の精神的負担が少ないことと、患者さんへの拒否が柔らかいため、関係に支障をきたしにくいというのがあります。

逆にデメリットとしては、患者さんにとって“思わせぶりな態度”と捉えられてしまうリスクがあります。特に精神科の患者さんは現実検討能力が低い方も多いので、「ニコってじらしてるけど、自分に気があるのではないか」と捉える場合も大いにあり得ます。

患者さんの特性に合わせて対応を検討する必要があるので、先輩ナースに相談してみましょう。

3.冗談で返答する

きっぱりと断ってしまうと患者さんとの関係性が壊れてしまうのではないかと感じるなら、冗談で返してみるのも悪くないかもしれません。

僕の場合だと「どこに住んでるの?」と聞かれた際に「夢の国かな」と答えたことがあります。完全にスベりました(笑)

そのような関わりは「不真面目」という印象を与えるきっかけになってしまいますが、患者さんとの日頃の関わりを誠実に対応していれば、「個人情報に関してはつかみどころがなくてガードが固い」という印象を与えることも出来ます。

まとめ

看護師のプライベートを守るためにも、勤務中の精神的負担を軽減するためにも、自分たちの個人情報の扱いについては十分な注意が必要です。

もし患者さんに対しての対応に困ったら、モテそうな先輩ナースに聞いてみると良いかもしれません(笑)

ある程度患者さんのかわし方を理解してくると、自然と出来るようになっていくので、是非試行錯誤して頑張っていきましょう!

それではまた!

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看護師S田さん
看護師S田さん

京都大学卒業後、とある病院で看護師として勤務しながら、看護師の知識向上のため、「ナースイッチ」を創設。日々臨床と研究を両立しながら看護に向き合っています。

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