【体験談あり】児童思春期の精神科の特徴とやりがい、難しいポイント

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特徴!精神科×小児科(?)

児童精神科に入院している患者さんには10歳前後の小学生も居ます。

そうなると、精神的な発達課題などの知識に加えて第二次性徴を迎えます。

いわゆる「思春期」です。

男女ともに身体にも変化が顕れます。

これまでわいわい遊んでいた男の子が、突然そっけなくなり、看護師の声掛けに対して「なんだよ!」「うるさい!」と反抗的になることもあります。

また、児童精神科では、活動や遊びも重要な役割を持っています。

児童年齢の小中学生は、元気が有り余っているので、病棟での退屈な生活には飽き飽きしてしまいます。

もちろん看護師と一緒に散歩やバドミントンなどのレクリエーションを行いますが、それでも「もっと遊びたい」と思うのは自然なことです。

そんな患者さんとどのようにコミュニケーションをとっていくのかを考えながら、精神科としての関わり方も模索していくのが児童精神の特徴です。

そして、児童の患者さんは精神状態を言葉に表す力や、イライラした時にものや人に手を挙げずに自制する力もまだまだ発展途上です。

看護師としてどう言葉を引き出してあげるか、対処方法にどう気づかせてあげるかという視点もかなり重要になります。

精神科×小児科というニュアンス以上の深みがそこにはあります。

やりがい!成長に寄り添える

児童の患者さんとの関わりで、一番やりがいに感じるのは成長に寄り添えることです。

今まで出来なかったことが出来ていく患者さんの成長を見られることもあります。

ケンカをした時に「ごめんなさい」が素直に言えない男の子が、看護師との関わりやSSTなどの心理プログラム、成長を通じて素直に「ごめんなさい」と言えるようになった時には、お~~~!!と感動することもあります。

患者さんが思春期を迎え、自分の意思決定が出来るようになったり、人との関わり方について自分を模索する時期になると、「こんなとき看護師さんならどうする?」と聞かれることもあります。

かなり難しい質問もあれば、大人はわかっているけれど子どもには難しいこともあります。

どうすれば伝わるか、また、あえて失敗を経験させてあげる方が良いのかも含めて、関わることが重要です。

深い内容については、また他の記事をご覧ください。

僕が今まで関わった患者さんの事例で一番嬉しかった場面を紹介します。

児童思春期病棟で関わっていた患者さんが、ある時担当の心理師さんにこんな風に言ったそうです。

「私ね、将来はS田さんみたいな看護師さんになりたい。」

それを心理師さんから聞いて本当に感動しました。

しかも、直接僕にはそんな素振りは見せないで過ごしているのに、実はそんな風に思ってもらえていたなんて。

将来を考える時期にいる児童と、心を通して関われる精神科病棟ならではのやりがい、是非皆さんも向き合ってみてください。

大乱闘!モンスターペアレント

児童と関わる上で切り離せないのが、両親の存在です。

中には、無理な要求や看護師への叱責など、教育の現場でも耳にする「モンスターペアレント」という方々が病院にも牙をむくことがあります。

ここからは、研究ベースではないですが、S田の臨床経験ベースで児童精神科で出会うモンスターペアレントさんの例をいくつか挙げてみましょう。

虐待しつつ溺愛系の親

親の感情の波に任せて暴力などの虐待をするにも関わらず、「ごめんね、愛してるよ」などという言葉を子どもに投げかけるご家族が居たりします。なんだかDV彼氏みたいですね(笑)

そんな親から距離を取って過ごすのも児童精神科の役割で、本人の自覚も親の同意もないため、児童相談所の一時保護委託で入院するケースがほとんどです。

そもそも入院している存在や病院の場所すら伝えない時もあります。

そんな家族と直接関わるケースも稀にあり、かなりの緊張感がある対面になります。

一時保護についてはこちらから↓

甘やかし放題の親

典型的な「うちの子が!!」のパターンです。

自分の子どもの言うことは絶対という親です。

ちなみにそんな親の方も、子どもからの承認を得ることに注力して「自分はちゃんとデキる親である」と子どもに認めてもらうためにそのような行動に出ているケースが大半です。

決まり文句は「ママ(パパ)がなんとかするからね」です。

そのようなケースの場合、患者さんが看護師への不満を親に伝えたら容赦なくクレームとして押し寄せ、患者さんの要求が通らない場合はすぐに家族から代理で要求の連絡が来ます。

「あの患者さんはうちの子に悪影響だから退院させてくれ」なんて連絡を受けたこともあります。

児童精神科で働くということは、児童の精神に何らかの影響を及ぼす当の本人でもある家族とも関わっていく場面があり、看護師にとっては立ち回りが難しい状況もあります。

みなさんも是非攻略していってください!!

まとめ

「精神科で働きたいけど、特にスーパー救急なのか、慢性期なのか、急性期なのか迷う」という方には、児童精神科という選択も知っていただけたらと思います。

割と主観的な内容や事例が多くなってしまいましたが、実際の現場の体験談として就職や転職にお役立ちいただければ幸いです。

Nur-switchでは他にも役立つ資格や知識について紹介しています。

是非ご覧ください!

最後まで読んでくださってありがとうございます!

それではまた!

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看護師S田さん

エビデンス中毒、いわゆる「エビ厨」を自称する京大出身の生意気な看護師。
「根拠に基づく看護(EBN)」の普及のためにNur-switchを設立し、論文レビュー記事から雑記ブログまで幅広く執筆。
臨床に立ちながら精力的に記事を更新中!

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