こんにちは、精神科ナースのS田です。
今回は精神科に関連する映画の1つとして、『ビューティフル・マインド(Beautiful Mind)』を紹介します。
看護学生の方や、精神疾患を持った方が身近にいる方など、幅広い方に参考にしていただければ幸いです。
それではいきましょう!
ビューティフル・マインドとは
ビューティフル・マインドは、ジョン・ナッシュという実在した人物の闘病を描いた事実に基づいた映画です。
ジョン・ナッシュはゲーム理論の発展に大きな貢献をした上で、1994年にノーベル経済学賞を受賞するほどの、いわゆる“天才”と呼ばれた数学者です。
そして2001年に制作され2002年に公開となった『ビューティフル・マインド』は2002年アカデミー賞(監督賞・助演女優賞・脚色賞)と、2002年ゴールデングローブ賞(最優秀主演男優賞・最優秀助演女優賞・最優秀脚本賞)を受賞し、社会からの評価も高い作品です。
S田は看護学生時代に精神科看護の授業でこの映画を視聴したのが出会いでした。
おそらく他の学校でもビデオ学習として活用しているところは多いのではないでしょうか。
この映画をきっかけに統合失調症への社会的な理解が向上し、ジョン・ナッシュの知名度が上がったと言われています。
ざっくりとしたあらすじ
天才と呼ばれたジョン・ナッシュの学生時代から物語が始まります。
周囲から「変わっている」と言われながらも、自分なりの世界観で生活していく様子が描かれます。ここは伏線の嵐です(笑)
仕事に就いて忙しい日々を送る中で、ある男との出会いで国家機密に関わる任務を任されます。
表の仕事と裏の仕事を両立させながら、結婚という幸福にも包まれた生活を送るナッシュですが、裏の仕事でトラブルが起きてしまいます。
そこから急展開を迎え、統合失調症という精神疾患との闘病生活が始まります。
ジョン・ナッシュの病気に関する症状が一人称で描かれているので、“ナッシュの中の架空の世界”と“実際に存在する現実世界”とがごちゃごちゃになってしまい、観ている僕らも騙されて惑わされ続ける作品です。
「これは現実なの?」「これは統合失調症の幻覚だったの?」とわからなくなるほどリアルに巧みに描かれています。
是非みなさんもこの映画を通して、精神疾患の患者さんが見ている世界を体感してみてください!

S田的な見どころ
見どころ①巧みな一人称視点
この作品は、主人公のジョン・ナッシュの視点で描かれています。
統合失調症の症状として現われる幻覚や妄想が、まるで本当のことのように登場します。
ストーリーが進むにつれてナッシュのことを理解していく視聴者と、症状が進行していくナッシュの視点とで交錯するので、もう何が本当で何が妄想なのかわからないくらい惑わされて騙されます。
それを実現させているのがこの一人称視点です。
ところどころで、妻のアリシアの視点や精神科医のローゼン先生の視点で“答え合わせ”がされるところもとても面白いです。
見どころ②多くの伏線
僕的な見どころは、ずばり“伏線”が多いところです。
作品の中では「この描写はそこに繋がっているのか!!」と驚く場面がたくさんあります。
むしろ前半部分の全てが伏線というくらい、後半に畳みかけてきます。
なので、普段から映画や漫画で伏線を探すのが好きという方は、ちょっとした場面に隠された意図をくみ取っていくと楽しめると思います。
伏線の詳細については徹底解説編で本気で書いているので、そちらで僕と答え合わせしてみましょう(笑)
まとめ
いかがだったでしょうか。
この『ビューティフル・マインド』については、それぞれのシーンを引き合いに出して、精神医学・精神看護学に基づいて徹底解説している記事も近日公開予定です。
精神科ナースの僕が本気でアセスメントして解説しているので、是非お楽しみに!
そして、精神疾患を題材にした映画は他にもいくつかあります。
今後も更新していくので、是非ご覧ください!
それではまた!
参考サイト
映画.com 作品情報 映画「ビューティフル・マインド」
(https://eiga.com/movie/1017/ 21.08.25閲覧)
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コメント
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