精神科でのコロナ陽性者の対応例

こんにちは、精神科ナースのS田です。

新型コロナウイルスの蔓延によって、各医療機関では現在も切迫した状況が続いています。

精神科病棟の患者さんがコロナ陽性となった場合、精神疾患などの特性から感染対策が困難な事例が多くあります。

この記事では、実際に僕が経験した中で対応が困難に感じた事例を紹介します。

精神疾患を持った患者さんでも、中等度以上になれば一般科の病床で体調管理が必要な場合があります。

精神科以外の病棟の方も、「こんな人が来るかもしれないのか」程度でいいので、是非知ってもらえたらと思います。

早速いきましょう!

多動

1つ目は“じっとしていられない”患者さんです。

そわそわと歩き回り、何度も意味のないナースコールを押し、廊下を歩く看護師を捕まえて回っている患者さんがコロナの陽性や濃厚接触者になった場合を考えてみましょう。

じっとしていられない理由は患者さんそれぞれで多少の差異はありますが、繰り返し説明や注意をしても病床で落ち着いて過ごせない場合です。

接する看護師の心境としては、「感染をこれ以上広げないで!!!」や「私に移さないでよ!!」といった怒りの感情が沸いてしまうものです。

そのような場合は一般の病棟設備での管理はかなり難しいことが想像できます。

考えられる対応のパターンは2つです。

一般病床での身体拘束

または

モニター付きで外から鍵のかかる精神科の保護室で感染対応を整備する

おそらく病院の方針や実現可能性によって判断は異なるのでしょうか。

(そこまで他院の環境まで詳しくなくてすみません)

このように、落ち着いていられない患者さんは感染拡大のリスクという点でも、きちんと管理する必要があります。

自殺企図

2つ目は、自殺企図を行う患者さんです。

例えば希死念慮が高く、精神科病棟で「ひも類持ち込み制限」のある患者さんが中等度になった場合、どうやって酸素を投与していくのでしょうか。

スキを見て酸素マスクのチューブで縊首(首絞め行為)を行うかもしれません。

ドライヤーですら看護師の見守りのもとで行っている患者さんを、コードやチューブと一緒に寝かせるなんて、重症化の前に生命の危険になるリスクです。

このような場合も、患者さんの自殺企図の傾向に合わせて対応を検討していくことが必要になります。

本当にその場その場で「どちらが生命の危機に直結するか」を天秤にかけて柔軟に判断していくことが必要になるでしょう。

境界性パーソナリティー障害

3つ目は、境界性パーソナリティー障害の患者さんが隔離対応になった場合です。

この例は、生命に直結するものではありませんが、ただでさえ精神的に負荷のかかるコロナ対応の負担を増加させる言動が多いです。

精神科以外の病棟の方でもわかりやすい例として、実例に一部フィクションを加えて並べてみます。

「●●看護師さんが、私は◇日に出られるって教えてくれたの。だから楽しみ。」

と実際には存在しない日程を提示して振り回す

「大部屋は嫌だから少しでも長く個室に居たいの!ここじゃないならリスカする!」

「陰性の結果が出ても、私はまだ恐怖心があるのでここに居ます」

と感染対応の“特別感”を満喫している

「もう私はこんな目にあって、本当につらいから死にたいの」

と希死念慮を匂わせて看護師と長時間話そうと引き留める

このように、本人の発現だけで判断出来ないことがどんどん増えていきます。

S情報を鵜呑みにせずに、チームで密に情報共有することがとても重要になります。

まとめ

いかがだったでしょうか。

精神科経験がない方がみると「本当にあるの?」と思うようなことですが、実際にコロナ病棟にこのような患者さんが入ることもあり得ます。

簡単な例として挙げてみましたが、実際に目の前にすると本当に好きになれません。

チームの協力で、引き続き乗り切っていきましょう!

それではまた!

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看護師S田さん
看護師S田さん

京都大学卒業後、とある病院で看護師として勤務しながら、看護師の知識向上のため、「ナースイッチ」を創設。日々臨床と研究を両立しながら看護に向き合っています。

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