“メンヘラ”という言葉をおそらく多くの人が一度は耳にしたことがあるかと思います。
今回はそんな“メンヘラ”さんについて精神医学的な背景を紹介した上で、どのような種類があるのかをS田なりに分類してみました。
身近にメンヘラさんがいる、どう接していいか悩むことがあるという方は是非この記事を一通り読んでみてください!
一般的なメンヘラの定義
まずは一般的なメンヘラの定義について紹介します。
メンヘラの語源は“メンタルヘルス”であると言われていて、おそらく「メンタルヘルス(精神状態)が不安定な人」という意図で略語となってスラングのように流行した言葉であると考えられています。
ネット上での情報を調べてみると、類似の言葉に“地雷系”、“メンヘラ界隈”、“病みかわいい”などの単語があり、「好きな人にデレデレな状態であるがゆえに病んでしまう(精神不安定になってしまう)」人のことを“ヤンデレ”とも表現しているようです。
また、“メンヘラは面倒くさい”や“メンヘラは重たい”といったマイナスなイメージも見かけるため、“病みかわいい”というプラスなイメージとどちらも存在しているのがうかがえます。
精神科目線でのメンヘラの種類
さて、ここからが今回の本題です。
ネットで見かける「メンヘラも特徴〇個」のような内容ではなく、がっつりと真剣に精神科の目線で分類していきます!!!
というのも、いわゆる“メンヘラ”さん達は精神的に不安定な人たちの総称であって、みんなが必ず共通の特徴を持つわけではないと僕は考えています。そして先に言っておきますが、ずっと精神が安定している人なんていないと思うので、“メンヘラ”さんが悪いことだとは思っていません!!!
(きちんと伝えておきます!偏見や批判ではなく中立的・学問的に解説します!)
今回は根底にあると考えられる疾患傾向(診断がついているかどうかはさておき、疾患ごとの系統)に合わせて4つの種類に分類してみました。
これは、精神科看護師の知識と経験で僕が語っていくことなので、参考程度に本気で受け取ってください(笑)
ではいきましょう!!!
パーソナリティ不安定系メンヘラさん
1つ目はパーソナリティが不安定で病んでしまうメンヘラさんのグループです。
- 自分に自信がない
- 人からの承認がほしい
- たくさん心配してほしい
こんな特徴のある方はこのグループに分類できます。
パーソナリティが不安定という意味については、
- 自分自身を強く持っているのではなく、誰かに必要とされていたい
- 人からの評価や印象を気にしすぎてしまう
というイメージで理解していただければ十分です。
ことグループの中には、パーソナリティ障害という名前の診断を受けている方も含まれています。
見放されることが不安で、リストカットやODをコミュニケーションの手段として人との繋がりを確認する不器用さんが多いので接する人へのアドバイスとしては、
- 「ちゃんと見ているよ」「ひとりじゃないよ」と伝え続ける
- 自傷をしなくても承認を与える
という関わり方を根気強く継続していくことが必要になります。
愛着不足系メンヘラさん
- 独りで過ごすのが苦手
- 人からの愛情を感じていないと不安
という方が含まれるのが2つ目のグループである愛着不足系メンヘラさんです。
産まれてから思春期までの親子関係で愛着形成という重要な家族の愛情を受け取ることが出来なかった方は、大人になってからも愛情への執着やのめり込みすぎてしまうという特徴があります。
臨床現場で出会う方の場合、過保護な家庭や育児放棄の家庭というように子育てでの親子の距離が極端に崩れている家庭で育った方がこのような傾向になります。
このグループの方と接する時には、依存的な関係になり得ることを意識して関わることが必要です。
依存関係そのものが良い悪いではなく、自分がその人にどれだけ時間を使えるのか、どこまで要求に応えられるのか、きちんと整理した上で明確に共有して関わることも、お互いを守る上で必要になることがあります。
ADHD系メンヘラさん
注意欠陥、多動、衝動的行為が見られるADHDの傾向がある方がメンヘラさんになると
- 感情の波が激しい
- 思うようにいかないと暴れてしまう
という特徴があります。
怒りや嫉妬、寂しさが爆発して、わ~~っと飲酒やリストカットへの行動化をするケースがあります。
このような場合、メンヘラさんは自分自身でもコントロールする力を失って制御できなくなってしまいます。
身近にいる人は、カッとなった行動を止めに入るか、安全な場合や自分自身にも危険が及ぶ場合は落ち着くまでそっとしておきましょう。
ADHD傾向の方の怒りは、波を超えればケロッと落ち着いていくことが多いです。
メンヘラ志望型メンヘラさん
最後に分類されるのは
- “病んでいる”ことが可愛くてオシャレだと思う
- 病んでいるという意識はないけれど、病んでいるように振る舞うことがある
というメンヘラ志望の方です。
世間では“ファッションメンヘラ”なんて言われたりしています。
メンヘラとして生きることで友達の輪に溶け込んだり、好みの異性に振り向いてもらうことを目的としていることが考えられます。(本人達がそこまで意識しているかどうかまではわかりませんが・・・)
このような方と接する場合は、本人が「かわいい」と感じる趣味として受容して暖かく接することでお互い不快にならずに過ごすことが出来ます。
まとめ
今回は精神医学と臨床経験を反映させたメンヘラさん解説でした。
1つ1つの根拠や文献までは紹介しきれませんでしたが、S田の持っている根拠の引き出しと臨床経験、社会経験を踏まえて解説させていただきました。
もし他にも興味を持っていただけたら、下の記事を是非読んでみてください!
それではまた他の記事でお会いしましょう!
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