“CP換算”でみる抗精神病薬の強さ

抗精神病薬は様々な種類があり、心に作用するため客観的な基準がわかりにくいことがあります。

この患者さんの薬って多いのかな?

患者さんの薬が変更になったけど、これって増えているのかな?

と迷ってしまうことが度々あります

この記事では、抗精神病薬の強さをざっくりと把握するための“ものさし”であるCP換算値について解説していきたいと思います。

CP換算値とは

抗精神病薬は種類によって“5mg”で強いものもあれば“25mg”でも効き目が現れにくいものもあります。

患者さんの症状の重さによって様々な違いもあります。

あえて薬剤名を挙げずに書いてみましたが、このように精神病薬は客観的な評価が難しいために「どの薬をどれくらい使用すれば適正なのか」の判断がとても難しいです。

その上で抗精神病薬について使える“ものさし”がCP換算値です。

(以下引用)

目的 CP換算値は、抗精神病薬の量が適正かどうか、おおよその目安を知るためのものです。

対象 統合失調症の治療薬(抗精神病薬)を服用している方

    CP換算は統合失調症の治療薬(抗精神病薬)の薬の量を計算するための方法です。そのため、抗うつ薬や抗不安薬や睡眠薬など、他の種類の薬の量を計算することはできませんので、ご注意ください。

計算方法

あなたが服用している統合失調症の治療薬の量(1日の合計)を「処方量」の空欄に入力してください。 すべての薬の量を入力したら、「CP値計算」をクリックすると、CP換算値という数値が算出されます。

CPとは、クロルプロマジンという薬の頭文字をとった略語です。

(COMHBO 地域精神保健福祉機構 薬の量を計算しましょう(CP換算値)より)

公式な説明によると上のような内容となります。

つまりクロルプロマジン100mgを基準にして、それぞれの薬剤がどの程度の強さを持っているかを示す数値となります。

図で表すと、このようなイメージです。

薬ごとに具体的な作用機序や特性は異なりますが、ざっくりと同じくらいの強さの薬剤を比べるの“ものさし”としして比較することが出来ます。

その薬剤についての留意点と実際の活用例について紹介していきます。

CP換算値の留意点

CP換算値は抗精神病薬の分量に関する基準です。

陽性症状や陰性症状に対する作用の強さ、鎮静作用の強さ、などはそれぞれの薬剤で異なっているので、CP換算値に関わらず薬剤ごとの特徴はきちんと把握した上での観察が必要となります。

また、作用の時間(Tmax,T1/2など)についても薬剤によって異なるので、きちんと学習して薬剤を理解することが必要です。

比較の組み合わせについては、引用した解説文にもあるように抗精神病薬に関してのみ適用できるものです。

例えば、「気分安定の意図でのエビリファイと抗不安薬のエチゾラムを比較する」などの使い方はできません。

この点に注意して活用するようにしましょう。

CP換算値の臨床での活用例

①処方の変更時

別の薬に処方が変更した際に、それが増えているのか減っているのかをざっくりと把握するために活用できます。

例えば、

クエチアピン50mgから、リスペリドン1mgに変更

となったとき、薬剤も分量も異なる2つを比べるにはある程度の見当をつけたいですね。

「CP換算値で75から100になってるから、CP換算値でいうと少し強い薬になっているのかな」という程度の参考に出来るかと思います。

50→200などの急激な増加があれば、観察項目への反映も必要になっていきます。

(場合によってはDrに指示が適正か確認する必要があります。)

②薬剤の総量の目安

いくつかの種類の薬剤を併用している場合に、“全部合わせると実際どのくらいの分量なのか”の概観を把握するために活用できます。

精神病薬をいくつも合わせて服用している場合や、定時薬と頓服薬の合計の量などに関しても、CP換算を用いればおおよその見当をつけることが出来ます。

また、CP換算値の合計についての目安については下のような目安があります。

(以下引用)

1000㎎以上

大量投与になっている可能性が強いです。何かの副作用が出て困っていませんか? 主治医に相談をして、薬をゆっくりと減らすとよいでしょう。薬はいきなり減らすのではなく、ゆっくりと減らさないと、かえって状態が悪くなることもありますので、気をつけてください。

600㎎~1000㎎
適切な量(至適用量)を少し越えている可能性があります。錐体外路症状や高プロラクチン血症などの副作用がないか注意して下さい。症状が安定していれば、ゆっくりと減薬すると良いでしょう。薬はいきなり減らすのではなく、ゆっくりと減らさないと、かえって状態が悪くなることもありますので、気をつけてください。

300㎎~600㎎
適正な量であると思われます。ただし、何かの副作用などが現れているようでしたら、主治医に相談をしてみることをおすすめいたします。

(COMHBO 地域精神保健福祉機構 薬の量を計算しましょう(CP換算値)より)

このように、薬剤の比較や総量について、目安として活用していくことが望ましいです。

CP換算で同じ強さの薬剤例

ここからは実践編です。

臨床でよく見るお薬での等価換算として実例で紹介していきたいと思います。

CP換算値に沿って、同じくらいの強さになる薬たちをまとめていくので、参考にしてみてください!

CP換算値50(CP50mg)
ペロスピロン4mgレボメプロマジン25 x 2T
CP換算値75(CP75mg)
エビリファイ3mgハロペリドール1.5mgクエチアピン50mg (約同量)ゾテピン50mg (約同量)
CP換算値100(CP100mg)
リスペリドン液1mgロナセン4mg
CP換算値200(CP200mg)
ジプレキサ5mgインヴェガ3mg

(COMHBO 地域精神保健福祉機構 薬の量を計算しましょう(CP換算値)より)

リスペリドンやインヴェガはかなり強い薬剤なのかなぁという印象ですね。

これはあくまでも例として、よく目にするものを僕セレクトで選んでみました。

自分の患者さんの使用している薬剤についても気になる方は、参考サイトにリンクがあるので確認してみてください!

まとめ

今回は抗精神病薬の強さに関する“ものさし”としてCP換算値を紹介してみました。

精神科での薬剤管理については今後も記事を更新していきたいと思いますので、是非ご覧ください!

それではまた!

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参考資料

COMHBO 地域精神保健福祉機構 薬の量を計算しましょう(CP換算値)

https://www.comhbo.net/?page_id=4370 2021/4/17閲覧)

看護師S田さん
看護師S田さん

京都大学卒業後、とある病院で看護師として勤務しながら、看護師の知識向上のため、「ナースイッチ」を創設。日々臨床と研究を両立しながら看護に向き合っています。

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