【炎上覚悟】精神科看護師がNP(新制度ナースプラクティショナーについて)について思うこと。

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ナースプラクティショナーという看護師の上位互換の職業が新しく出来るのではないかと世間を騒がせています。

「なにそれ?」という方から、

自分もなってみたいと思っている人まで、今回は僕がナースプラクティショナーについて思うことをお伝えします。

ナースプラクティショナーとは?

要するに、医者としての権限の一部を持った看護師という仕組みです。

ナースプラクティショナーという制度は、海外で取り入れられている仕組みで、日本で看護師が出来ること(やっていいこと)と医師のやることは異なる範囲になっています。

看護師は診断や処方に関する権利は持っていないので、医師の判断を仰いで病棟業務を行っているのが現実です。

「でも、外国みたいにもっと看護師の出来ること増やそうよ!!!」

というのがこの風潮です。

最近話題に挙がってはいますが、元々の火付けは2015年の日本看護協会の「看護の将来ビジョン」から主張されてきたことです。

つまりナースプラクティショナーの話が挙がるのは、今回が初めてではありません。

ちなみに日本看護協会の検討しているビジョンは下のような内容です。

(日本看護協会HP)
(日本看護協会HP)

このように、大学院を出るレベルであれば、看護師でも一部の診断や処方が出来るようになっていく可能性があるということです。

現場の精神科看護師S田の本音

世界と日本の看護師教育体制の差

今日の話題のナースプラクティショナーが実現すれば、看護師が医師の判断を待たずに薬を処方できるなど、業務を効率化できる可能性があります。

しかし、「え!なにそれ!いいじゃん、やろうよ!」なんてノリで推し進めて良い問題ではありません。

というのも、日本の看護の教育レベルやカリキュラムを諸外国と比較すると、現在の看護師に求めるハードルはかなり高くなってしまうからです。

確かに、看護師のレベルを上げて、ナースプラクティショナーを実現させるためには、カリキュラムが必要であると僕も考えています。

しかし、その資格を付与するカリキュラムを作るなら大学院レベルの本気の教育過程が必要かと思います。認定看護師レベルではなく専門看護師レベルの教育が必要という意味です。

さらに、そのカリキュラムの大半は医学部医学科の講義を一緒に受講するレベルである必要があると考えています。

診断や処方を学ぶので、教員は看護師ではなく医師から学ぶことが前提です。

もちろん看護過程も含めて学ぶ必要がありますが、おそらくその教育体制を整えられる機関は日本にほとんど無いのではないかと思います。

そうなると日本で数校の機関で、毎年100人前後のNPを輩出していく資格制度になります。

薬学部に6年生と4年生があるように、看護学部にも6年生が新設される未来があるような印象ですね。それなら医学科を目指して進んでいけばいいのに・・・

現場の看護師が間違った判断をしないために…

臨床の看護師には、「私は現場経験を積んでいるから、臨床的判断力がある」と主張する人が時々います。

しかし、その看護師が言う「判断力」は、ナースプラクティショナーの海外基準を満たすような経験や知識に基づいたものではありません。

もし、十分な環境が準備出来ないのにも関わらず、ナースプラクティショナーの資格を増やしていくのであれば、質が悪いのに「臨床的判断力がある」と認められるような看護師を量産していく風潮になりますね。

それで良いのでしょうか?現場がこんな看護師で溢れてしまったら…あとはそれぞれの想像力と判断です。

まとめ

今回は僕がこの場を借りて本音で想いを書いてみました。

そもそもナースプラクティショナーの制度そのものが賛否をはらんでいるので、この記事についても、読んでいるみなさんの賛否が生じることは理解した上で見解をまとめてみました。

1番大切なことは、「やりたい」ではなく「実現可能か」であり、考えずに勢いに乗るのではなく考える姿勢が重要です。

Nur-switchでは他にも役立つ資格や知識について紹介しています。

是非ご覧ください!

最後まで読んでくださってありがとうございます!

それではまた!

【参考文献】

日本看護協会HP ナース・プラクティショナー(仮称)制度構築(最終閲覧22.12.15)

ナース・プラクティショナー(仮称)と現行法で定める「看護師」の業について | 看護職の皆さまへ | 公益社団法人日本看護協会

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