東大看護 修士1年前半の振り返り

ニュース
ニュース
namiさん
namiさん

京都大学卒業後、とある大学病院のICUでコロナに追われて奮闘中。
臨床と研究をつなぐ人材を目指して、エビデンスに基づいた情報提供を心掛け、今後は大学院進学を視野に入れて日々学習しています。
元同級生のS田に声をかけられ、一緒にNurswitchに記事を投稿することに。
(S田によると、才色兼備の素敵な同期とのこと)

Sタームが終わり夏休みに突入したので、修士1年前半戦の授業の感想を書いていこうと思います。

東大の院ってどんな授業があるの?って方や

東大健看、東大SPH生のためになれば嬉しいです。

修士1年前期の時間割

1限は8時30分スタートで6限は20時半まで。1コマは105分制です。

私は通常の修士課程(30単位必要)に加え保健師教育コース(31単位必要)を並行して受講しているため、必然的に受講科目数は多くなっています。この空コマで課題をしたり、論文を読んだり、不定期の講義を受けたりしていました。

今振り返ると1限~6限まで授業で埋まっている日は疲労困憊でしたね…

授業の感想(受講生が多い講義)

・健康危機管理学

災害医療や感染症対策、リスクコミュニケーションや放射線危機管理に関する講義がありました。オムニバス形式で毎週外部講師の方がいらっしゃいます。感染症の講義では実際のCOVID-19対策に関するお話を伺えて面白かったです。

・保健医療経済学

康永先生の講義です。様々な医療政策や保健理論、医療サービスに関する講義で医療経済学を学ぶことが出来ます。毎週ではないですが、医療政策に関するdiscussionを学生同士で行い発表する回もありました。SPHの受講生が多く様々なバックグラウンドの学生と交流出来ておススメです。「経済学を知らずに医療ができるか!?」より詳細な内容を講義で取り扱っている様子でした。

・臨床死生学・倫理学

後期教養科目の講義です。2週に1回開催される人文社会系研究科主催の臨床死生学・倫理学研究会(オムニバス形式の講義)に計5回参加し、各回のテーマ(認知症看護・ケアの倫理・治療の中止や差し控えなど)について考察したレポート(A4に2枚以内)を提出します。研究会の翌週にフォローアップ授業があり、レポート内容を発表し受講生間でディスカッションします。医学系以外を専攻されている学生とdiscussionでき新たな視点を勉強するいい機会で非常に面白かったです。

最終レポ―トを書く際に読んだ以下の本はおすすめです。

 

・医学データの統計解析

これは最後のテストが鬼門です。

統計学の基礎的な内容から応用まで、理論を交えてご講義くださります。

私には正直難しい内容も多く、講義中よく「????」となっていました笑

(昼食後の講義なのでわからなくなると睡魔にも襲われて本当に大変でした…)

S1タームで講義が終わり、S2ターム終わりにテストがあります。

(しっかりテスト勉強しておけよ…という意味です)

テストは関数電卓とA4の両面メモ1枚が持ち込み可能なので、必死に公式をメモしました。テスト勉強のおかげでロジスティック回帰式からオッズ比を出したり、95%信頼区間を出したり、生存曲線やROC曲線を書いたり、標準化リスク比を出したり…などなどが全て手計算で出来るようになります。過去問を解く中で、講義内容と繋がる部分も多く統計への理解が深まったので、テストはつらかったですが、自分のためになって有難かったなと思います。

・医学研究のデザイン

研究デザインの総論や研究プロトコルの作成、ガイドラインに沿ったクリティーク、データマネジメントや医薬品承認に関する講義がありました。実際に論文を読みながらクリティークを進めていくためポイントがわかり非常に勉強になりました。

・疫学研究と実践

2022年度でご退官された栄養疫学の佐々木敏先生が特別に今年度も担当してくださりました。毎年超人気な名講義です。佐々木先生の雄弁な語りは本当に面白くて105分があっという間です、引き込まれる講義でした。

疫学研究の基礎をテーマ毎(観察研究、介入研究等)に研究例を紹介しながらご説明くださります。毎週そのテーマに沿った論文を1本選びクリティークし提出するという課題が出されるのですが、優秀な・面白いレポートは選ばれ発表があります。発表者からも学ぶことができ、非常に有意義な講義でした。

以下は佐々木先生の栄養疫学に関する本です。ぜひ手に取ってみてください。

・臨床倫理学Ⅰ・Ⅱ

Ⅰでは、医療倫理学総論、インフォームド・コンセント、研究倫理などのテーマが取り上げられ、ほぼ毎回の講義でGDがあります。医療倫理コンサルテーションをグループワークで行い回もありました。SPHの方との交流が深まって楽しんで受けることが出来ました。ⅡではⅠより公衆衛生倫理に関するテーマが多かった印象です。COVID-19下での医療資源配分やナッジなどトレンドの内容も多く取り扱っており面白かったです。

まとめ

以上修士1年前半戦の授業の振り返りでした!

いやあ、良く乗り切ったなと思います。時間割で見るとそんなに詰まってなさそうに見えますが、課題やら自身の研究を進める時間を考えると本当に時間がないです!

非常に充実した前期だったと思います。特に私は社会人を経験した上で大学院に進学しているので、こんなにも自分自身の勉強のためだけに時間を使えるのって有難い!!久しぶりに受ける講義って面白い!!という思いでいっぱいでした。

後期は少し授業は減りますが、実習があったり、自身の研究をどんどん進めていくフェーズに入ったりとまた多忙な日々になりそうですが、楽しみでもあります。

この情報がどなたかの役に立つと幸いです。

Nur-switchでは他にも役立つ資格や知識について紹介しています。

是非ご覧ください!

最後まで読んでくださってありがとうございます!

それではまた!

コメント

PAGE TOP

Nur-switch|ナースイッチをもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む

タイトルとURLをコピーしました