疾患毎の栄養療法を紹介。ICUの栄養管理3

※この記事は、「必須の基礎知識は?種類は?ICUの栄養管理2」の続きとなっています。ぜひそちらの記事もご覧下さい。

※以下は様々な参考書、勉強会資料、看護師向けサイトより私が情報をまとめたものです。そのため、あくまで参考程度にご覧ください。誤情報がある場合はコメント頂けると幸いです。

疾患毎の栄養療法

1)糖尿病

・2型糖尿病の患者に加え、自覚症状や受診歴のない耐糖能異常の患者が増えている

・侵襲後のステロイドホルモン分泌増加によって高血糖となることも

・血糖コントロールを厳重に行う。

・低糖質、高脂質のもの(例:グルセルナ)

2)腎不全

・腎機能低下すると水、Na、K、P、酸の排出低下→水とNa貯留による高血圧と浮腫、高K、高P、酸排出低

下による代謝性アシドーシスが生じる。腎臓でのビタミンD活性化が低下して小腸からのCa吸収が低下

し、さらなる高P血症になる。

・慢性腎不全ではカリウム制限をする

・透析をしていない場合は蛋白質を制限する

 大量の蛋白質を摂取すると、蛋白質代謝の老廃物の尿素窒素が十分に排泄出来ず、尿毒症になるリスクあり

・腎不全用アミノ酸輸液(キドミンなど)、腎不全用経腸栄養剤を利用する

・例:リーナレンLP(低蛋白、腎障害の保存期に)、リーナレンMP(蛋白やや低め、腎障害の維持期に)

3)肝硬変

・タンパク合成機能が低下し栄養不良状態に。BCAAが減少して芳香族アミノ酸が増加するため、

BCAA製剤を内服する

・肝臓で合成されるグリコーゲンが減少して貯蔵エネルギーも不足する。

エネルギー不足は早朝空腹時に著しいため、就寝前軽食(LES)を取ることで早朝の飢餓状態を防止する

・例:アミノレバン、へパン

4)クローン病

・成分栄養剤のエレンタールは、窒素源がアミノ酸まで完全に分解されているため抗原性が低いこと、腸内細菌叢を変化させる可能性あること、低脂肪であることなどにより有効であると言われている。

5)褥瘡

・十分な量の三大栄養素とビタミン(特にビタミンC)を摂取。

・線維芽細胞の刺激作用のあるコラーゲンペプチド、タンパク合成を促進するHMB、組織血流をよくするアルギニンなどが創傷治癒に有効

6)がん

・栄養不良の場合は、術前からTPNで術後合併症を予防する。

・術前術後の絶飲食期間をなるべく短くするERASプロトコールが推奨

・終末期は、QOLを重視し好きなものを好きなだけ

・終末期の輸液や強制栄養が負担となる場合、病態に応じて徐々に対応する

7)サルコペニア

加齢により栄養摂取(蛋白質摂取量)が低下し、さらに運動をしなくなるために骨格筋が減少した状態のこと

・特に蛋白質摂取量が低下しやすいことに留意

・十分なエネルギーと蛋白摂取を

・筋肉トレーニングにつながる適度な運動を

8)呼吸不全

・高脂質、低糖質で呼吸商を考慮したプルモケアを使用

9)下痢

・食物繊維の添加されたテルミール

・GFO使用することも

まとめ

今回はICUで実際に行われている栄養管理について、実際の経験を元にまとめてみました。

この記事を読んで、栄養管理で困ったことが解決したということがあればとても嬉しいです。

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namiさん
namiさん

京都大学卒業後、とある大学病院のICUでコロナに追われて奮闘中。
臨床と研究をつなぐ人材を目指して、エビデンスに基づいた情報提供を心掛け、今後は大学院進学を視野に入れて日々学習しています。
元同級生のS田に声をかけられ、一緒にNurswitchに記事を投稿することに。
(S田によると、才色兼備の素敵な同期とのこと)

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