少しずつ業務に慣れ余裕が出来てくると、自身のスキルアップや今後のキャリアについて考え始める方が多いと思います。
この記事では、ICU・救急看護の現場やキャリアアップに活かせる資格・制度を紹介します!
ぜひ参考にしてください。
- 急性期の現場で活かせる、持っていて損のない資格
- キャリアアップのための制度
- まとめ
現場で活かせる、持っていて損のない資格
BLS:Basic Life Support
“心肺停止または呼吸停止に対する一次救命処置”のことです。
小児から高齢者まで、どの年齢層の患者にも質の高い心肺蘇生法(CPR)を提供出来るスキル習得を目的としたBLSプロバイダーコースがあります。
受講条件はなく、1日で取得することが出来ます。
このコースを受講し修了すると、合格認定証が付与されます。
ACLS:Advanced Cardiovascular Life Support
BLSが一次救命処置であるのに対し、ACLSは二次救命処置を指します。
様々な症例に対する救命処置をシミュレーション形式で学ぶことで、
“心停止、心拍再開直後、徐脈/頻拍、脳卒中、および急性冠症候群の認識および介入技術を身につけること”を目的としています。
ACLSプロバイダーコースは2日間かけて受講します。
修了後、BLSと同様に合格認定証が付与されます。
ただし、以下の受講条件があります。
・AHA BLSプロバイダー/インストラクター資格保有者(有効期限)
・AHA ACLSプロバイダー/インストラクター資格保有者(期限不問)
【日本ACLS協会ガイド https://acls.or.jp/course_type/workers/ 2021/4/3閲覧】
ICLS:Immediate Cardiac Life Support
医療従事者のための蘇生トレーニングコースです。
“緊急性の高い病態のうち、特に「突然の心停止に対する最初の10分間の対応と適切なチーム蘇生」を習得すること”
を目的としており、ACLS基礎コースとして知られています。
講習はチーム制かつシミュレーション形式で行い、1日かけてスキルを習得します。
受講条件はありません。
ICLSとACLSの違いとしては、簡単にいうと、
ICLS➡心停止時の救命処置
ACLS➡様々な疾患毎の心停止前後期治療に対応した救命処置
という感じですね。
私は院内のICLSコースを受講しバッチをもらいました。バッチってつけてるだけでテンション上がりますよね(私だけかな?笑)
ICLSに限らず、BLS、ACLSも院内で受講コースが開催される場合があるので、一度勤務先の研修情報を確認してみてもいいかもしれません。(院内だと少しお安く受講出来るかも?)
【日本救急医学会 http://www.icls-web.com/about/icls_about.html 2021/4/3 閲覧】
心電図検定
ICUに入院されている患者さんは重症なため、24時間の心電図モニタリングは必須です。心拍数の変化に限らず、今の波形が正常であるが、迅速な対応が求められる致死性不整脈が出ていないか等を観察しなければならず、心電図の知識が求められます。
そこでおすすめなのが心電図検定です。この検定を受けるにしろ受けないにしろ、問題集に沿って勉強することで、モニター心電図に限らず、12誘導心電図の読み方を学ぶことが出来ます!一石二鳥!素敵!
ただ、公式問題集は心電図症例に対し4つの選択肢が提示されており、正解に関する解説が少し記載されているだけで物足りなさがあります。そのため、参考書やインターネットサイトを活用し、その他の選択肢について学ぶ必要があります。
私のおすすめサイトはこちらです。
ハート先生の心電図教室 https://cardiac.rsvsys.jp/
心電図の基本から様々な不整脈まで、イラスト付きでわかりやすく解説されています。
以前までは無料公開されていましたが、現在は有料みたいです…(でも購入する価値あり!)
心電図を勉強し始め、当初は、この波形は何や…難しくて全然わからん…と思っていましたが、徐々に心電図が読めるようになりました。実際に臨床現場で、不整脈波形を判別出来た時は嬉しいです!知識と結びつく瞬間って凄く快感ですよね。
深く勉強せずとも、致死性不整脈は必ず勉強するようにしてください。まじでVT・VFよく出ます。出た瞬間焦るので、対応も一致させて覚えてください。
呼吸療法認定士
3学会(一般社団法人日本胸部外科学会、一般社団法人日本呼吸器学会、公益社団法人日本麻酔科学会)合同呼吸療法認定士認定委員会が創設した「3学会合同呼吸療法認定士」認定制度があります。
臨床工学技士、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士の中で、それぞれの職種において呼吸療法を習熟し、呼吸管理を行う医療チームの構成要員を養成し、かつそのレベルの向上を図ることなどを目的としています。
この資格を得ることで、呼吸療法に関する知識が身に付き、RSTチームに入りやすくなります。まず講習会を受講し、認定試験を受ける必要があります。複数の条件があるため注意が必要です(以下の引用図参照)。取得後は5年毎の更新が必要になります。
*実務経験ですが、免許登録日から2年以上であるため、国家資格登録月が5月以降の方は4年目以降にしか受験出来ません。4月に書類提出するため、3年目の提出時には経験年数2年以上に満たないのです…。
【公益財団法人 医療機器センター「3学会合同呼吸療法認定士」認定制度
http://www.jaame.or.jp/koushuu/kokyu/k_index.html 2021/4/3閲覧】
キャリアアップのための制度
認定看護師
認定看護師とは、ある特定の看護分野において、熟練した看護技術と知識を有する者として、日本看護協会の認定を受けた看護師を指します。専門性を発揮しながら、3つの役割「実践。指導・相談」を果たし、看護の質向上に努めていきます。
看護師として5年以上の実践経験(うち3年以上は認定看護分野の実務研修)を持ち、日本
看護協会が定める600時間以上の認定看護師教育を修め、認定看護師認定審査に合格する
ことで取得できる資格です。取得後は5年毎の更新が必要です。
ICUで働く上では、救急看護、集中ケアの認定制度が役立つと思います。
21の認定看護分野
感染管理 | 糖尿病看護 | 乳がん看護 |
皮膚・排泄ケア | 認知症看護 | 小児救急看護 |
緩和ケア | 摂食・嚥下障害看護 | 慢性心不全看護 |
がん化学療法看護 | 脳卒中リハビリテーション看護 | 慢性呼吸器疾患看護 |
集中ケア | 訪問看護 | 透析看護 |
救急看護 | 手術看護 | がん放射線療法看護 |
がん性疼痛看護 | 新生児集中ケア | 不妊症看護 |
*特定行為研修を組み込んだB課程が2020年度から開始しています。
従来の特定行為研修を組み込んでいないA課程は2026年度をもって終了します。
A課程で認定看護師資格を取得した方は、特定行為研修を修了した上で移行手続きが可能です(2021年4月以降)。
専門看護師
専門看護師は、専門看護分野において「実践・相談・調整・倫理調整・教育・研究」の6つの役割を果たし、看護の質向上に努めます。看護師として5年以上の実践経験(うち3年以上は専門看護分野の実務研修)を持ち、看護系の大学院で修士課程を修了して必要な単位を取得した後に、専門看護師認定審査に合格することで取得できる資格です。取得後は5年毎の更新が必要です。
ICUや救急などの急性期で働く上では、急性・重症患者看護が役立つと思います。
13の専門分野
がん看護 | 慢性疾患看護 | 感染症看護 | 精神看護 |
在宅看護 | 急性・重症患者看護 | 母性看護 | 地域看護 |
家族支援 | 遺伝看護 | 災害看護 | 老人看護 |
小児看護 |
【日本看護協会 資格認定制度
https://nintei.nurse.or.jp/nursing/qualification/ 2021/4/3閲覧】
まとめ
気になる資格や制度はありましたか?専門看護師や認定看護師は中々ハードルが高いと考える方も多いと思いますが、ぜひこの記事を参考に今後のキャリアを考えてみてください。条件としてある程度の経験年数が必要な資格・制度もありますが、新人のうちから意識していて損はないと思います(むしろ目標が出来、モチベーションアップに繋がる)。
ぜひ参考にしてください。
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