皆さんはICUと聞くとどのようなイメージを抱かれるでしょうか?
最近では救急現場を題材としたドラマや映画が多数あるため、イメージしやすいかもしれませんが、
- 重症な患者さんが沢山入院している
- 医療機器が多く大変そう
- 急変が多く常に緊張感がありそう
などと、なんとなく大変そうなイメージを持っている方は多いのではないでしょうか?
本日は、そもそもICUって何?をテーマに解説していきたいと思います。
ICUって何?
ICU(Intensive Care Unit)=集中治療室
日本集中治療医学会によると、
集中治療とは
“生命の危機にある重症患者さんを、24時間の濃密な観察のもとに、先進医療技術を駆使して集中的に治療するもの”
集中治療室とは
“集中治療のために濃密な診療体制とモニタリング用機器、ならびに生命維持装置などの高度の診療機器を整備した診療単位”
【引用:https://www.jsicm.org/provider/icm.html 2021/4/3閲覧】
とあります。
つまり、様々な疾患により呼吸や循環動態が悪化し生命の危機にあり、24時間の徹底したモニタリングや治療を必要とする患者さんが入院されている場所がICUです。
ICUの種類
特定機能病院や一部の総合病院では、様々なICUが置かれ、より専門化した治療が行われています。以下に例を挙げます。
種類 | 対象 |
救命救急集中治療室Emergency Intensive Care Unit (EICU) | 重症な救急搬送患者 |
冠動脈疾患集中治療室Coronary Care Unit (CCU) | 重症心疾患患者 |
脳卒中集中治療室Stroke Care Unit (SCU) | 重症脳卒中患者 |
新生児集中治療室Neonatal Intensive Care Unit (NICU) | 未熟児、高度の先天奇形、分娩時の障害、合併症など、出産後間もない新生児 |
移行期(回復期)集中治療室Growing Care Unit (GCU) | 集中治療を要しない新生児NICUの後方病床の位置づけ |
小児集中治療室Pediatric Intensive Care Unit (PICU) | 重症あるいは手術後の小児 |
【参考:https://www.jiha.jp/wpweb/wp-content/uploads/2018/05/P47.pdf 2021/4/3閲覧】
どんな疾患の患者さんがいるの?
私は救命救急ICUに勤務しているため、主にEICUに入院される患者さんでよく看る疾患について紹介します。
呼吸器系 | 肺炎、肺塞栓症、肺高血圧、慢性閉塞性肺疾患(COPD)急性増悪 |
循環器系 | ACS・心筋梗塞、大動脈解離、心不全、心停止蘇生後、重症不整脈 |
脳神経系 | 脳梗塞、脳出血、痙攣発作、脊椎・脊髄損傷 |
腎・泌尿器系 | 腎不全 |
消化器系 | 消化管出血、急性膵炎 |
内分泌系 | 糖尿病性ケトアシドーシス |
外傷系 | 交通事故・転落などによる高エネルギー外傷、熱傷 |
その他 | 敗血症、壊死性筋膜炎、急性薬物中毒、熱中症 |
*最近は、重症COVID-19肺炎の患者さんの受け入れも行っています。
よく使用する医療機器
1番よく扱うのは人工呼吸器です。ほとんどの患者さんが挿管され、人工呼吸器管理が必要な状態で入院されます。
他には、ペースメーカー、除細動器、CHDF(持続的血液濾過透析)、大動脈バルーンパンピング(IABP)、経皮的心肺補助(PCPS)など、沢山の医療機器を扱います。
各医療機器を使用中の患者さんへの看護ポイントについては、後日別記事で紹介していきたいと思います。
まとめ
ICUについて簡単に紹介してみました。
やはり幅広い年齢層や疾患の患者さんが入院され、沢山の医療機器を扱うため大変なのは大変です。しかし、それゆえにやりがいの大きい部署であると思います(もちろん他部署でのやりがいも沢山あると思います!)。
知識・技術を身に付けたい!急性期看護を学びたい!臨機応変な対応が出来るようになりたい!という方にはぴったりだと思いますので、ぜひ参考にしてください。
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