子どもや後輩にお願いしたいこと、注意しなければいけないこと、などをどう伝えればいいのか。
今回は、実際に活用しやすいフレーズを紹介している『言い方ひとつでここまで変わる 教師のすごい!会話術』を読んでみました。
手に取ったきっかけ
まず、僕がこの本を手に取ったきっかけは
- 精神科で児童や精神遅滞のある方と接する際の“伝え方”を学びたいから
- 経営者として仕事を頼んだり注意する際に、トゲの少ない伝え方をしたいから
という理由です。
コミュニケーションについて学習をして、精神科看護の現場で臨床に生かしながら試行錯誤をしているので、その参考にと思い購入しました。
そしてこの本は、教育分野の書籍なので
- 小学校の先生や保育士さん
- 子育てに奮闘中のママ
- 小児科の看護師さん
の方にもオススメ出来る内容でした。
内容のあらすじ
この本の構成としては、日常生活での話し方、子どものやる気の引き出し方、ほめ方・叱り方、とっさの切り返しかた、教師の口癖のチャプター構成で
実際の場面
↓
かける言葉
↓
根拠と解説
という形で丁寧にまとめてあるので、読むときの負担や疲労感も少なく、サクッと読み切ってしまいました。
具体的な例に沿って書かれているので、状況や言い方もイメージしやすいです。
読んでみて、すぐに自分の会話に生かせるような内容になっています。
看護師に生かせるトコロ
看護師が患者さんに言葉をかける上で重要なのが、
(教師や保育士の方も同様ですが)
注意した後も信頼関係を継続しなければいけない、ということです。
つまり、こちらが注意や意思表示をした後にも嫌われたり・気まずくなったりしないように配慮することが求められています。
それを実践する上で、ここに載っているフレーズのいくつかはとても参考になりました。
特に印象のある表現についての解説を紹介したいと思います。
1.粗探しではなく宝探し
看護師は患者さんの“(健康上の)問題点”に注意が行きがちになります。
そのため、悪いところ探しをしてしまう傾向にあります。良いところを探すって、とても難しいです。
そんなときに「○○していない人?」というのではなく「○○してくれた人!」というように、自分の発する言葉に着目して声掛けをすると、自然と意識を良い方に集中させることが出来るのではないかと思います。
良いところを探す上で、良いところを口に出すことから始めてみよう!
そう感じた内容でした。
2.プロローグ
実はこの本は事例を丁寧に紹介している本ではありますが、プロローグの 「教師の会話術を磨く方法」というところに、エッセンスが詰まっています。
ここに書かれている1~5の内容を理解すると、自分なりに落とし込むことが出来そうです。
ちなみに会話術を磨く方法2の冒頭は下のような書き出しです。
(以下引用)
「会話術」を磨くための何より重要な下地が「聞く力」です。「聞き手」としての意識が高くなければ、子どもにとっての「よい話し手」になることは難しいでしょう。①子どもの話を最後まで聞く、②子どもの話に共感する、③子どもの話を聞き出す――ひと口に「聞く力」といっても様々あります。
(『言い方ひとつでここまで変わる 教師のすごい!会話術』P4)
この“子ども”を“患者さん”に置き換えると、看護師にも同様のことがいえるかと思います。
精神科スイッチで僕が解説している「傾聴」に通じる内容ですね。
傾聴の記事はこちら
精神科や小児科など、児童と関わる看護師にとっては、教育者的な視点として是非参考にしていただける1冊かと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
人にものを伝えるのって、本当に難しくて、大人になってからも子どもや後輩への伝え方で悩んだりするものです。
この本のように、教師目線で書かれている書籍も参考にしてみると考え方の視野が広がるのではないでしょうか!
本の実際の内容をどこまで紹介するかで、僕自身も気を恐る恐る書いているレビューなので、今後引き続きパフォーマンスの向上をしていけるように精進します!
他にもスイッチオフでは、僕が学習のために読んだ書籍を紹介しているので、是非ご覧ください。
スイッチオフの記事はこちら

Nurswitchのスピンオフとして、精神科に勤務している現役看護師のS田によるゆるゆるなブログを初めてみようかと思います。
精神科看護師として、看護師ブロガーとして、京都大学の研究生としての僕の日常を書きながらみなさんの共感やあるあるに繋がればと思います。
今後の企画としてやってみたいこともいくつか考えているので、是非よろしくお願いします。
こちらもおすすめ
参考書籍
『言い方ひとつでここまで変わる 教師のすごい!会話術』森川正樹
コメント