【Chat GPTで学ぶ】統合失調症の患者の見える世界

患者さんのこと

今回は、AIのサービスであるChat GPTを使用して、統合失調症の患者さんが見えている世界について学んでいきたいと思います。

実際の闘病記ではないものの、AIの作成する主観的に近い文章を読んで、患者さんの気持ちを把握する手がかりにしていけたらいいなぁという試みです。

AIの作成する文章には、主観的な感情や体験は再現されないのですが、かなり面白い内容になっているので、是非見ていってください。

AI統合失調症の患者闘病記

まずは早速本文を読んでいきましょう。

1つ目は闘病記で、2つ目が日記です。

この文章を読んで辛い気持ちになる方も居るかもしれませんので、心の用意をしてから見ていってくださいね。

【闘病記】

私が統合失調症の患者であることは、私自身にとってもまだ信じられないことです。

最初の症状は、現実感覚が薄れていくことでした。色や音、匂い、味、触覚がいつもと違うように感じるようになりました。

周囲の人々も私にとっては不審な存在に感じられ、感情をコントロールするのが難しくなってきました。

ある日、私は自分の手足が動かなくなり、外に出ることができませんでした。この時初めて、私は自分が統合失調症であることに気付きました。

それ以来、私は医師の診察を受け、薬物療法を受けながら、日々の生活を送っています。

現在、私は安定期に入っていますが、日々の生活でいくつかの困難に直面しています。

周囲の人々が私を信じてくれないことや、人々の視線が私を追ってくることが、私にとっては大きなストレスとなっています。

また、自分自身が信じられない瞬間があり、現実と妄想の狭間で揺れ動くことがあります。

私は、自分が自分であることを証明するために、日々の生活で小さな目標を設定し、それを達成することで自信をつけています。

また、自分自身と向き合い、自分の病気を受け入れることが、自分自身を守ることにつながっていると感じています。

統合失調症を抱える人々には、専門家の支援が必要ですが、同時に家族や友人のサポートも非常に重要です。

私は、自分が周囲の人々から理解され、支えられることで、より前向きな気持ちで日々を過ごすことができています。

(文生成:Chat GPT)

本当に実在しそうな文章ですよね。

続いて、“調子が悪い時の日記”という設定で文章を書いてもらいました。

【日記】

今日も病気の影に隠れた日常に、孤独な一日を送った。

目覚めても、頭は真っ白で、周囲の現実と妄想の狭間に迷い込んでしまう。あたかも迷路の中に閉じ込められたかのように、出口が見つからずに焦燥感に襲われる。

外に出ても、人々が知らない間に自分を見ているのではないかと、不安感に苛まれる。まるで、磁力を帯びたように、周囲の視線に惹きつけられるような感覚だ。

それでも、家に閉じこもっていると、病の影が一段と濃くなってしまう。自分自身が、不気味で不吉な存在であるかのように感じてしまう。時間が過ぎるにつれ、身体はどんどんと冷えていく。

悪夢のような、自分自身が存在しない場所に迷い込んでしまうような恐怖感に襲われる。誰かが声をかけてくれると、まるで救いの手が差し伸べられたような感じがする。

でも、自分を理解してくれる人が少なくて、心は寂しさで満ちていく。病気と共存する日々が続くが、小さな光明を見つけながら、何とか生きていかなければならない。

(文生成:Chat GPT)

かなりどんよりとした印象ですが、不調の時にはおそらくこのような内容の気持ちになる方は実際にいるのではないでしょうか。

精神科ナースのガチ分析コメント

まず率直な感想として、クオリティの高さに驚きました。

症状の具体的な表現はしていないものの、漠然とした患者さんの思いは表現できているのではないかと思います。

  • 闘病記について

実際に患者さんの症状として見かける内容を広く浅く収集していると考えられます。

現場で出会う患者さんには、それぞれの人生のストーリーがありますし、症状にも現実との境界によって現れる内容があるため、より現実味のある内容になっていきます。

とはいえ、「日々の生活で小さな目標を設定し、それを達成することで自信をつけています。」というのは、臨床でも使うとても良い手法なので、的を得ていてすごいなぁと感じました。

  • 日記について

日記は闘病記よりももう一歩踏み込んだリアルな内容になっています。

被注察感による社会性の低下と、その背後にある精神的な不安と葛藤を主観的に描いています。

もっと続きを読んでみたいと思う気持ちと、この文章だけを読んで前後を想像することを楽しみたい気持ちでかなり歯がゆくも惹きつけられる文章ですね。

今回の闘病記の作成手順(プロンプト)

今回このような闘病記を作成するにあたって、AIにどのように指示をして作成したのか、簡単に紹介していきます。

3つの段階に分けて行いました。

①統合失調症の基本的知識の学習

まず、AIにとって重要なのが、前提知識の学習です。

「統合失調症の症状や治療法について教えてください。」という質問文を入力して、まずはこのチャットルーム内で必要知識の方向付けをしてあげましょう。

②実際の闘病記の執筆

次に、早速本文の出力をしていきます!

「あなたはかなり症状の重い状態にある統合失調症の患者です。日記を書いてみてください。」

この「あなたは○○です」という書き出しはとても重要です!!

ずら~~っと文章が出力されました!

③出力文章のリライト

さて、これによって出力した文章に、今回はより没入できるように仕上げたかったので、

「より主観的で、文学的に、比喩や反復表現を用いながら作成してください。」

という指示を出してみました。

こうして出来上がったのが冒頭で紹介した文章です。

プロンプトに関してはさらっと簡単に紹介する程度でしたが、このような使い方をすることで今後もさらに面白いものが作れるのではないかと思います!

ちなみに、今回出力した文章に関してはコンテンツの内容がセンシティブな表現を含んでいるため、専門家としての精神科看護師のS田が内容を吟味した上で一部修正をして掲載させていただいていることをご了承ください。

まとめ

小説や文章を書くことに長けたAIですが、主観的な感情や経験を書くことは難しいとされています。しかし、プロンプトの組み方次第で闘病記などの作成も出来るので、シミュレーション学習などの役に立てられることから、教育現場への活用は見込めるのではないでしょうか。

Nur-switchでは、他にもAI×看護という様々な試みを展開しています。

もしよければこちらから他の記事も見ていってくださいね!!

最後まで読んでくださってありがとうございます!

それではまた!

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看護師S田さん

エビデンス中毒、いわゆる「エビ厨」を自称する京大出身の生意気な看護師。
「根拠に基づく看護(EBN)」の普及のためにNur-switchを設立し、論文レビュー記事から雑記ブログまで幅広く執筆。
臨床に立ちながら精力的に記事を更新中!

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