S田にとっての精神科看護のやりがい3選

精神科

こんにちは、精神科ナースのS田です。

今回は、精神科の看護師として働く僕が「あぁ、精神科で働いていて良かったなぁ」と感じるような仕事でのやりがいについて3つに分けてまとめていきたいと思います。

この記事ではあくまでも僕個人の見解になってしまいますが、精神科看護を志す方や、精神科でモチベーションを見失いかけてる方に参考にしていただければと思います。

やりがい①患者さんとの信頼関係を深められたとき

精神科看護は、看護さんとのコミュニケーションがとても大切な分野です。

看護師が日頃患者さんに向き合う姿勢や誠実さが、治療や介入に作用していきます。

患者さんの“辛いこと”に寄り添って、患者さんの“やりたいこと”を叶えるために一緒に考えて関わることで、患者さんとの信頼関係を構築してくことが出来ます。

もちろん人間対人間なので、どうしても相性が良くないケースなどもあります。特に精神科では発症の原因になった出来事を、看護師を通して想起してしまう場合などもあります。例としては“DVをしていた男性と髪型が似ている男性看護師”という内容で患者さんから強く反発されるケースなどがあります。

しかし、患者さんのことを考えて悩みながら真剣に取り組むことで、自分の想いや行動が患者さんに届きます。

他のスタッフでは関係が作れなかった患者さんでも、自分のちょっとした一言で心を開いてくれて、それを糸口にして徐々に他のスタッフにも関係構築を広げていくような経験をすると、とてもやりがいを感じます。

人と人との関わりが治療的介入に直結しているというのも、精神科の特徴なのかもしれません。

やりがい②患者さんが再入院してくれたとき

精神疾患は完全に治癒することは困難であるため、治癒を目指すのではなく患者さんが疾患と付き合っていくことをゴールとするケースがほとんどです。

患者さんは症状の改善や増悪によって、入退院を繰り返しながら疾患と共生していきます。この点は糖尿病の血糖コントロールの患者さんも似ているところがあるかもしれません。

退院した患者さんが自ら不調に気付いて、再入院という選択をしてくれたとき、「ちゃんと自分から帰ってきてくれたんだね」ってすごく温かい気持ちになります。

そんな場面で、精神科の看護師として「1人の患者さんの人生に寄り添う」という実感が得られるので、とてもやりがいを感じます。

他の診療科でも同様のことがあるかもしれませんが、患者さんの“生命”や“人生”に携わる実感が得られた時に、看護師としてのやりがいを感じるのかと思います。

これは僕の見解ですが、精神科で患者さんの症状が軽快した時は「少しでも長くそのままコントロールして元気に過ごしてね」と不安を抱えながら退院を見送ることが多いです。

なので、症状が増悪して再入院してきた時に「退院してからたくさん頑張ったね」と受容する気持ちが強いのかと感じます。

やりがい③自分自身と向き合うとき

ここまで2つは、対患者さんという内容でしたが最後の1つは自分にとっての恩恵です。

精神科で働いていると、患者さんとの関わり方や自分の性格についてとてもよく考えます。

「自分は思っていることをすぐに口に出してしまう」

「私は患者さんや他人に求める理想が高い」

「ルールや指示で決められたことに対する柔軟な対応の判断が苦手」

というように、自分自身の能力や考え方と向き合う機会がとても多いです。

その度に自分で反省したり、先輩から指摘を受けたり、時には自分のせいじゃないと感じたりと向き合って乗り越えていきます。

自分に出来ないことに向き合って自分の弱みを見つめる作業は、かなり精神的な負担が大きく、ストレスがかかります。

しかし1つ1つ丁寧に向き合って乗り越えていくことで、自分自身が成長していけるのです。

僕にとって自分自身の人間性にここまで誠実に向き合う機会はこれまでなかったので、まだまだ至らないことが多いですが、今後も日々精進していきたいと考えています。

どんな時やりがいを感じますか?

仕事においてやりがいを感じるかどうかは、自分のモチベーションとしても達成感や充実感としても大切なポイントになってきます。

今回は僕のやりがいを例にしてみましたが、人によってそれぞれやりがいを感じる場面は異なるかと思います。

是非、みなさんのほっこり事例も振り返ってみてください!

それではまた!

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看護師S田さん
看護師S田さん

京都大学卒業後、とある病院で看護師として勤務しながら、看護師の知識向上のため、「ナースイッチ」を創設。日々臨床と研究を両立しながら看護に向き合っています。

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