ケアストレスカウンセラーへの道③ ~公式テキスト解説編~

もう一歩先の精神科看護

こんにちは、精神科ナースのS田です。

今回はケアストレスカウンセラー特集のラストでテキストの解説をしていきます。

おそらくここまで3本の記事を読んでくださっている方は、ケアストレスカウンセラーの受験をかなり前向きに検討しているのではないかと思います。

以前の②の記事で書いたように、このテキストは構成の問題から学習が難解なところがあります。今回は多くの書籍をレビューしてきたS田の辛口な部分も正直に記載していきます。

受験や学習に意欲を持った方の参考になるような紹介をさせていただければと思います。

テキストの構成

このテキストは全部で5つのチャプターからなっています。

  • Part1 こころって、何だろう?
  • Part2 こころの健康って何だろう?
  • Part3 こころの病って、どんなものだろう?
  • Part4 人と人とのかかわりって、何だろう?
  • Part5 ストレスって、何だろう?

それぞれの章にはさらにStep1などの小さいトピックがあり、トピックごとに「理解度チェック」という練習問題がついています。

是非その練習問題を解きながら学習を進めてみてください。

基本的には語り口調の説明文で表記されているので、読みやすいです。

その分、内容の割に文章量も多くなるので、本書全体で書いてある内容もきれいにノートにまとめれば数ページに収まるレベルかと思います。

このテキストの弱み

実際に僕がこのテキストを使用した感想としては、正直なところ教科書として推奨できる内容ではありませんでした。

「ケアストレスカウンセラーの合格のため」という目的では活用できますが、心理学や精神医学に関する初心者の方がこのテキストをとっかかりにして学習するには不親切な内容です。

その理由を2つ挙げていきます。

構成が不親切

一般的に精神の学習においては

という順序が学習しやすく、知識を整理しやすいです。

しかし本書はこのような構成ではなく、

こころについて、心理療法について、精神について、薬物療法について、疾患について、病院について(実際にこのトピックで構成されています)

というように、チャプターごとのストーリー構成がないため、読んでいてきれいに知識を整理しにくいという内容になっています。

知識を体系的に整理したい人にとってはとてももやもやします。

内容の重複により複雑になっている

先ほど紹介したように、扱っているトピックそのものが飛び飛びになっているので、内容にも重複があります。

特に大切なロジャースの提唱した傾聴に関する内容がテキストのPart1・2・4に分散して記載されている点については、とても残念な内容となっています。

余談ですが、このようなテキストを共同で執筆する場合、それぞれのチャプターで分担することが多いので、分担の連携不足があるとチャプターでのストーリーは出来ていても書籍全体のストーリーや構成につながりがなくなってしまうのです。

このような本書の特徴を理解して上で取り組むことで、「あれ、これさっきも出てきたぞ」という混乱に惑わされずに学習を進めてみてください。

もう一歩先に行きたい人にオススメのテキスト

本書の弱みについて述べた通り、この本では体系的学習が難しいです。

そこでS田が選ぶ学習のオススメ書籍についていくつかのターゲットで紹介します。

・『精神看護学[1] 精神看護の基礎』:全般的な知識をきちんと広く学習したいかたに

これは言わずと知れた看護師向けの教科書です。

本書の内容をさらに深めて学習したい方にはこのようなレベルが良いかと思います。

・『プロカウンセラーの聞く技術』:カウンセラー目線で積極的傾聴について深めたいかた

これはプロカウンセラーの方の傾聴についての本で、いくつかのシリーズの一つです。

ケアストレスカウンセラーの資格取得後にさらに学習したい方にはかなりオススメの内容です。

・『心理学検定 基本キーワード』:心理学について他の資格を視野に入れて学習をしてみたい方

これは心理学検定の公式テキストです。

ケアストレスカウンセラーをきっかけにさらに他の資格にも挑戦してみたい方にオススメのテキストです。

まとめ

今回はかなり辛口な解説になってしまいました。

僕はこのテキストに関しては、ケアストレスカウンセラーの受験に際して購入し、受験に活用するという用途と割り切って使っていました。

ただ、このテキストの練習問題さえきちんと学習すればテストでもきちんと得点できるのは魅力的です。

是非、参考にしてみてください!

それではまた!

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参考書籍

「ケアストレスカウンセラー公式テキスト」

看護師S田さん
看護師S田さん

京都大学卒業後、とある病院で看護師として勤務しながら、看護師の知識向上のため、「ナースイッチ」を創設。日々臨床と研究を両立しながら看護に向き合っています。

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