基本的には穏やかなイメージが強い精神科。
しかし実は、准看護師や看護助手が居ない病棟では様々な場面でフィジカルが試されることがあります。
ちなみにS田の働く民間の精神科病棟では看護助手さんが居ません!
今回は、普段は穏やかな精神科でも身体を動かす業務の代表例を3つ紹介していきたいと思います!
もくじ
1.入浴介助
これはシンプルに介助です。
汗水垂らして肉体労働をする場面です。
精神科で入浴介助が必要な事例としては、
- 中等度や重度のMRの患者さん(服の脱ぎ方や、身体の洗い方を実行するのが難しい場合)
- うつ状態の患者さん(お風呂に入ることが面倒であったり抵抗があるため、入れてあげないと入りません)
- 重度の摂食障害の患者さん(自分の筋力で更衣から入浴までやりきれません、患者さんの休憩をとりながら補助します。褥瘡リスクも高いため、皮膚観察もします!)
このようなパターンで、精神科の看護師にとって入浴介助は必要な業務なのです!
2.レクリエーション
抑うつ傾向の患者さんや、生活リズムの改善のために日中の活動が必要な患者さん、認知症予防として等、看護師が必要なコミュニケーションを取るためにレクリエーションをすることがあります。
内容としては散歩、キャッチボール、バドミントンなどのアウトドア系の活動や、オセロ、トランプ、パズルなどのインドアな活動があります。
要するに“遊び”です!
「OTでやれば良いじゃないか!」
と思われる方も居るかと思います!
その通りです。
ただ、関係構築のためや、看護師として患者さんの本音を引き出すために、遊びを通した関わりを実施することがあります。
僕の経験談ですが、オセロなんかをしていると、終盤あたりでポロッと「実は私、こう思ってるんです。」と患者さんが本音を話してくれることがあったりします。
夏場に本気でバドミントンする時なんかは「あれ、僕って看護師として仕事中だよね?」って思うくらい本気で活動したりしています(笑)
みなさんも楽しみながら患者さんに看護的な関わりをしてみてください!
ちなみに異性の患者さんだと、距離が縮まるため陽性転移のきっかけにもなるので要注意です。
(陽性転移のきじ)
3.CVPPP
患者さんが精神症状によって暴れてしまっている場合、看護師はその患者さんや他の患者さん、病棟の物品やスタッフの安全を守るために、暴れる患者さんを抑えることがあります。
それがCVPPP(包括的暴力防止プログラム)です。
詳しくは今後執筆するCVPPPの記事で紹介したいと思います。
CVPPPでは、出来るだけ力を使わずに、患者さんもスタッフも安全に、暴力行為を抑止するためのテクニックを活用します。
しかし、患者さんの力が強い場合や、暴れ続けて止まない場合は、肉体勝負だったり持久戦になる場合があります。
夜勤の時に患者さんが暴れている場合などは特にスタッフの人手もないので、患者さんを痛めないように配慮しつつ、本気で動きを止めにいくことがあります。
「そんなことしなくてもいいのに」
「かわいそうだよ」
という方、
患者さんが「頭を打って消えてしまえ」という幻聴によって、壁を殴り、頭から血が出ていても壁に打ち付けていたらどうしますか?
止めますよね?
というように、精神科では身体的に抑えることが必要な場合がちらほらあります。
そのような場合には、男性看護師は力強い味方です。
(僕の数少ない活躍の場です)
患者さんの安全のために、身体を張って止めることも精神科看護師の仕事なのです。
まとめ
今回は、精神科病棟で勤務する看護師S田の肉体労働について、経験ベースでの記事になりました。
エビデンスに基づいた見解は少なく、病院によってルールや対応が異なる場合が多いところですが、少しでも参考になればと思います。
この記事で紹介したように僕の業務では身体を使う場面も多いですが、かなり充実しています!
今後も是非お楽しみに!
それではまた!
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