『精神診療プラチナマニュアル』読んでみた

書籍レビュー

こんにちは、精神科ナースのS田です。

定番になっている書籍レビューのコーナーです。

今回は精神診療プラチナマニュアルについてレビューしていきます。

オススメ度   ★★★☆☆

マニアック度  ★★★★☆

オススメ対象  精神科2年目~5年目程度

『精神診療プラチナマニュアル』の中身

精神診療プラチナマニュアルは、メディカル・サイエンス・インターナショナルから出版されているポケットサイズのテキストです。

精神診療プラチナマニュアル

冒頭に書かれているのですが、このテキストは診断や治療について書かれているテキストなので、精神科看護デビューしたての方が早速手に取るにはかなりマニアックな内容と言えます。

また内容も看護という観点に重きを置いていないので、看護師の方へのオススメ度という点では少し低めです。

しかし、内容はかなり仕上がって整っている印象だったので、詳しく解説していきたいと思います!!!

内容の構成は、

第1章疾患について、第2章精神科診療について、第3章薬剤についてという内容に分かれています。

疾患の知識に関する部分では、疾患の概要・症状・アセスメント・プラン・治療薬についてまとめられていて、ポイントとして重要な内容も追記している形になっています。とても分かりやすい内容になっています。

鑑別についてのポイントがまとめられているのは、僕的にはかなり面白いと感じる内容でした。

第2章は精神科診療についてで、入院形態などについてです。精神科の医師になってしばらくの間は実用に落とし込みながらこのページを参照しながら活用するのかなぁと感じる内容になっています。

僕的な見どころは、「〇〇入院の患者が退院を希望したとき」という項目です!

そして第3章はガチガチに薬剤の知識についてです。

完全に日々の治療方針の決定や薬剤調整の際に医師が参照しやすい内容と言えます。

看護師的な目線では用量の漸減・漸増のペースなどまで頭に入れている方はなかなかのベテランクラスになってくるかと思いますが、この内容の知識をここまでコンパクトにまとめているテキストはかなり重宝出来ます。

S田の率直な感想

とても綺麗だなぁ。

というのが真っ先に思った感想です。

この情報量を、このサイズのテキストにするのはかなり素敵だと思いました。

学習用というより参照用という点に焦点を絞った内容構成になっているので、そのような意図や内容の濃さに統一感を感じました。

精神科看護オタクの僕でも、まだまだ学ぶことはいっぱいあると教えてもらえた1冊です。

ズバリ、ここが役に立つ!

本書の中で、「アセスメント」「プラン」という箱で囲われた解説が書かれています。

その内容は、医師が治療にあたってどの点について情報収集し、どのような方針で進めていくかの参考になる内容が書かれています。

看護プランを自身で立案して継続的な看護を実施出来るようになった看護師が、もう一歩深めて学習していくためにとても参考になる内容だと思います。

疾患治療という観点から医師の目線を知ることで、看護としてどのような関わり方が必要になってくるのかを明確に学ぶことが出来ます。

ただ、治療の方針や病状に関しては医師や患者さんによって個別性の出るところなので、きちんと目の前の患者さんに合わせて軌道修正しながら活用することが重要です。

まとめ

いかがだったでしょうか。

精神診療プラチナマニュアルは、文字通り診療に関する内容がメインとなっているので、精神科初心者の看護師さんや看護学生にはオススメ出来ない高等な内容になっています。

しかし、より深いアセスメントやプランに役立てていきたい場合にはかなり役立つ1冊になっています。

「もう一歩先の精神科看護」を目指している看護師の方は是非ご覧になってみてください!

それではまた!

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看護師S田さん
看護師S田さん

京都大学卒業後、とある病院で看護師として勤務しながら、看護師の知識向上のため、「ナースイッチ」を創設。日々臨床と研究を両立しながら看護に向き合っています。

【参考書籍・サイト】

精神診療プラチナマニュアル 第3版

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