A.僕が一番難しい、技術が必要だなって思うのは、うつ病の患者さんとのコミュニケーションです。
どうしてうつ病の患者さんが難しいと思うかというと、本当の症状が主訴から拾いにくいからです。多くの患者さんは「寝れない」「食べれない」と、その時に主観的に思いついたことや日々の悩みを言葉にします。
本人の気持ちや体の状況を正しく聞き取るためには、質問に工夫が必要なのです。
ただ「夜寝れましたか?」「目が覚めましたか?」「疲れはとれていますか?」って聞いても、それが一筋縄じゃいかないなって感じることがすごく多いです。
昨日も、今日も、同じような内容の訴えがある、もしくは「特にないです」の一辺倒の時に、どう工夫して切り崩していくか。というのは、看護技術という点のみならず、センスが求められるところなのではないかと思います。
最初の質問はすごくオープンに聞くようにして、「別に大丈夫です、変わりありません。」と言われてからが勝負という感覚です。
新人のうちは表面的な、一言目の返答を聞いて”主訴を拾えた”という感覚になるので、難しさに気づくことも難しいかもしれません。僕自身も、うつ病の患者さんとのコミュニケーションに焦点を当てたのは2年目に入ってからでした。
勉強すればするほど、見えてくる世界が変わっていくという典型的な例なのではないでしょうか。
逆にいうと、精神科の看護師として、”代わりのいなあなただから出来る関わり”というのは、このような場面でどう対応出来るかで決まってくるのではないでしょうか。
難しいけれど、面白みとやりがいがある。そんなことを実感しながら関われるのがうつ病患者さんです。
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