【精神医学的な根拠が？】高齢者に水戸黄門、子どもにアンパンマンが人気な理由

ご高齢の方は水戸黄門

子どもにはアンパンマンが人気ですよね。

でも、我々が見ていてもなんだか退屈してしまう。

実はこれ、脳や精神の機能による根拠があるんです！

今回は水戸黄門が高齢者に人気な理由について認知機能であったり精神的な発達の部分から解説してみたいと思います。

水戸黄門やアンパンマンってどんなお話？

水戸黄門やアンパンマンが人気な理由って一つ共通点があります。

それは・・・

どれもストーリーが同じような内容で始まって同じような展開があって同じようなオチがあることです。

（もちろん、悪い意味で批判しているわけではありません。）

悪代官様が出てきて、「お主の悪よのぉ」みたいな悪さをして、助さんや格さんが闘い、最後に印籠を見せて終わる。

毎度毎度バイキンマンが出てきて悪さをして、だいたい１回はアンパンマン顔を濡らされて、バタコさんが顔を交換して、元気100倍になって相手を倒す。

そういったワンパターンな構成だけど飽きずに安心して見ていられるのには実は精神のある機能が密接に関係しています。

精神医学的な根拠は“アノ機能”

さて、ワンパターンな構成だけど飽きずに安心して見ていられるのには実は脳のある機能が密接に関係しています。

それが、作動記憶です（別名ワーキングメモリー）。

作動記憶（ワーキングメモリー）の定義は・・・　　（以下引用）

ワーキングメモリーは作動記録や作業記録と同義で、ある情報を保持しながら別の情報処理を行うために不可欠の認知機能です。行動を要領よく遂行するには情報を一時的に保持したり、使用後の情報を速やかに消去したりしなければなりません。数字の逆唱の検査や位取りを変えなければならない計算の検査、端数を出さない上手なお釣りのもらい方などに影響します。複数課題の処理能力や分割的注意と密接に関係しています。

（メンタルステータスイグザミネーション　第２版　P220）

このワーキングメモリーが高い人は、同時にいくつかのことを処理したり、何かをしている最中に別のことを考えたりといった能力が高いです。

いくつかの料理を同時に作るとき、「こっちに火を通している間にこっちの下準備をして、電子レンジがなったら取り出して盛り付けて」というように複数の作業を同時進行で行うので、ワーキングメモリーの高さが求められます。

自分のキャパを超えて料理をしようとすると、お鍋を焦がしてしまったりなんかが起きてしまいます。

そして、子どもや高齢者の方は、ワーキングメモリーは未発達あるいは衰退により、機能が低い状態であるので、できるだけ単調で複雑じゃないストーリーであるものの方が安心して見ていられるそうです。

ワーキングメモリー低くない人からしたらちょっと想像しづらいですが「先がどうなるか分からない」や「最後に大どんでん返し」や「ここが伏線だったのか！」のような展開の見えないストーリーでは、理解が追いつかなかったり、疲労感が強くなってしまい、見ることを辞めてしまうそうです。

これらのことから、水戸黄門やアンパンマンは、放送の回が変わっても共通のストーリー構成であり、高齢者や子どもに人気を得ているのです。

ちなみに、Ｓ田的には”伏線多めのストーリー”は作動記憶が必要になるかと思うので、デスノートや進撃の巨人などは見る人を選ぶかもしれません。

皆さんにとってはどんなものが面白いと感じてどんなものが難しいと感じますか？

これからもこういった認知機能や精神医学的な根拠を紹介しながら、みなさんに役立つ知識を解説していきたいと思います！！

最後まで読んでくださってありがとうございます！

それではまた！

【参考文献】

メンタルステータスイグザミネーション　第２版

こちらもおすすめ

• 「わが家の母はビョーキです」を読んでみた
• 「精神病棟ゆるふわ観察日記」読んでみた
• 『言い方ひとつでここまで変わる　教師のすごい！会話術』を読んでみた
• S田がNurswitchを作った理由
• 看護師S田の壮絶な１年間の振り返り