こんにちは、精神科ナースのS田です。
久々の書籍レビューをやっていきます。
今回紹介するのは、『イライラしない、怒らない ADHDの人のためのアンガーマネジメント』という本です。
ADHDは診断を受けている・いないに関わらず、人の特性として社会で出会うことのある個性です。
ズバリ、この本はADHD傾向の方の特性を踏まえてのアンガーマネジメントのテキストです。
医療系の参考書というよりは、一般の方が読んでも理解できる学習書になっているので、見どころを含めてさら~~~っと紹介します!
本書の概要
『イライラしない、怒らない ADHDの人のためのアンガーマネジメント』というテキストは「ADHD x アンガーマネジメント」がポイントになっている書籍です。
ADHDの疾患の特性といわれる多動、不注意、衝動性をもっている人が抱きやすいイライラについて、基本的な知識や具体的な対応までわかりやすく解説しています。
アンガーマネジメントについて初めて知るかたでもわかるような「怒りの感情」という説明から始まり、ADHDの特性のそれぞれを解説しているため、どちらの知識もゼロという方でもこの本だけで知識を1から学ぶことが出来ます。
そしてコラムでは、周囲の関わり方のコツも紹介されています。(以下引用)
ADHDの特性があると、怒りは、スコールのように突然降り注ぎ、サッとやんであとは青空……。 怒っても、うそのようにおだやかになることがあります。 このような場合、本人は何時間もイライラを引きずることはありません。 しかし、周囲の人が受けるストレスは相当です。 |
というように、ADHDの病態をイメージしやすい例を挙げながら解説しているので、テキストのような凝り固まった表現が苦手な方にはとても読みやすい内容になっています。
S田的なみどころ
今まで数々のテキストを読んできた僕的な見どころは、この書籍の第5章のところにある「プラス」を増やして怒りを防ぐというパートです。
この手の内容の書籍をたくさん読んできましたが、怒りを抑える方法については一般的な内容がどのテキストにも共通して書かれていますが、この書籍ではさらに一歩踏み込んだ予防として自分のテンションの上げ方というか、ギアの調節の仕方としてこのチャプターが書かれています。
- 自分の苦手部分と上手に付き合うコツ
- 自分の気持ちを前向きに後押しするコツ
として活用できそうな小ワザがいくつか紹介されています。
注意欠陥や衝動性について、症状を軽くすることはすぐには難しいですが、「その特性が出た時の被害を最小限にする予防策」は自分達でも実践出来るものが多いです。
詳細については実際に書籍で読んでみてください!!
まとめ
今回はADHD傾向の方に宛てたアンガーマネジメントに関する書籍を紹介しました。
この書籍は自分自身が悩んでいるという場合以外にも、恋人や生徒などへの対応で悩んでいる方などの身近にADHD傾向のある人がいる方にもオススメの内容になっています。
気になる方は是非手にとってみてください!
それではまた!
【参考文献】
『イライラしない、怒らない ADHDの人のためのアンガーマネジメント』高山恵子

こちらもおすすめ
コメント