こんにちは、精神科ナースのS田です。
今回は『子供と大人のメンタルヘルスがわかる本』という書籍についてレビューしていきます。
この書籍は僕が学生時代に十一先生の講義を受けている時に、「出版してサンプルがいっぱい送られてきたからみんなにあげるよ」と言われて直接先生からいただいたものです。
敬意と感謝を込めつつ、レビューしていきたいと思います。
『子供と大人のメンタルヘルスがわかる本』の内容
本書は「家庭、学校、職場で気になる問題の解明・解決のために」と表紙に記されている通り、一般的に生活していて出会うであろう“身近なメンタルヘルス”について具体的に解説しています。
各章ごとに疾患の背景、疾患の症状、疾患の具体例を丁寧に解説している書籍です。
なので、医療従事者ではない一般の方や、教育機関に従事している教職などの方にもわかりやすい内容になっています。
身近に起こるかもしれない精神症状のうち、“なるべく早く受診した方がよい症状”というテーマでいくつかの症状について分かりやすく解説しています。
そしてそれぞれの章の冒頭にある“事前チェック問題”と章末にある解答によって、今まで疾患に対して抱いていたイメージと実際の知識を照らし合わせることが出来る構成になっています。
S田的な見どころ
数々の精神科関係の書籍を読んできたS田てきに、とても参考になったポイントを紹介していきます。
僕にとってこのテキストで一番ためになったのは、第1章で扱われている内因性・外因性・心因性という疾患のメカニズムについて整理して学習出来たことです。
本書で“メンタルヘルスの問題”として記されている図と、“心因性・内因性・外因性・発達障害”として記されている図を合わせると下のようになります。

(参考:子供と大人のメンタルヘルスがわかる本)
つまり、こころの不調には3種類のパターンがあるのです。
疾患の詳細や一般的な介入についての書籍は多くありますが、このような疾患背景に着目して丁寧に解説している書籍はかなり少ないです。
その点で僕にとっては「目の前に起きている事象」という意味ではなく
“その患者さんの疾患の根源と対応”という点に着目して患者さんを看るきっかっけになった書籍です。
まとめ
いかがだったでしょうか。
疾患の背景や、身近にみられることについて細かく解説している書籍のなかではかなり読みやすい書籍です。
小学校高学年から中学校にかけてのお子様が“問題児”と呼ばれてしまうような事があれば、一度手に取って読んでみると良いかもしれません。
Nur-switchでは今後もみなさんの参考になる書籍を紹介出来るよう、S田のレビューを更新していきますので、是非他の記事もご覧ください!
それではまた!
【参考書籍・サイト】
『子供と大人のメンタルヘルスがわかる本』十一元三
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