「#コロナに負けるな」について思うこと

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新型コロナウイルスの蔓延によって世界経済は大きなダメージを受けており、日本でも実際に苦しんでいる方も多いです。

感染対策のため、テレワークなどオンラインでコミュニケーションをとることが増えた昨今、SNS上で流行しているハッシュタグとして「#コロナに負けるな」というタグがあります。

今回はいち医療従事者としてこのハッシュタグについて再考するきっかけを作れたらと思って記事を書いてみます。

このハッシュタグを使う投稿に対する批判という意味ではなく、本来の意味を見失わないように整理してみたいという意図ですので、ご了承の上でご覧ください。

  • #コロナに負けるな、とは
  • #コロナに負けるな、の実際の投稿
  • S田からのメッセージ

#コロナに負けるな、とは

このハッシュタグは新型コロナウイルスの蔓延に伴ってSNS上で普及し始め、もともとは「新型コロナウイルスの感染拡大に負けないように」という意味で用いられてきました。

「感染拡大に負けないように」というのも、

  • ウイルスに対峙している医療従事者への応援
  • 感染対策を実施している一般の方への精神的なエール
  • 実際に工夫した感染対策のアイデア

などがもともとの発信の意図とされていました。

愛知県蒲郡市や山口県宇部市などの自治体では、公式サイトに「コロナに負けるな」という文言を含んで新型コロナウイルスに関するキャンペーンを行っています。

コロナに負けるなプロジェクト – 愛知県蒲郡市公式ホームページ

応援メッセージ(コロナに負けるな!!)|宇部市公式ウェブサイト

医療従事者に対する応援のメッセージを募集して発信するなど、様々な工夫が凝らされています。

#コロナに負けるな、の実際の投稿

僕自身はナースイッチのInstagramの運営の際に、どんな投稿やハッシュタグがあり、どんな投稿が人気なのかを探り、日々検討しています。実際に「#コロナに負けるな」というハッシュタグの投稿を1週間に渡ってモニタリングしてみました。

すると、“感染対策”や“コロナで苦労している人への励まし”以外の意味合いで用いられている投稿をかなり多く目にしました。

それが

新型コロナウイルスの自粛ムードに負けずにはっちゃけよう!!!

新型コロナウイルスの恐怖に負けずに外出や交流を楽しもう!

という意味合いの投稿です。

大勢の人で開催するパーティーや、人混みを観光する内容の投稿で「#コロナに負けるな」が用いられているのです。

先ほど紹介した本来の意味とかなり異なる印象があります。

「やめなさい!!」という批判を向けたいわけではありませんが、見ていてどこかもやもや~っとした気持ちになりました。

もちろん、多くは医療従事者に関する投稿や、感染拡大への取り組み(宅飲み等も含めて)に関する投稿でした。おうち時間の楽しみ方など、コロナ渦を生き抜くために重要な内容であれば、見ていて楽しめる内容も多かったです。

S田からのメッセージ

ナースイッチという情報メディアを運営している僕の個人的な願いではありますが、この記事を見ている方やSNSでの発信を行っている方には、是非正しい使い方で情報を発信していってほしいです

流行りのハッシュタグで注目を集めやすいという狙いがあるなら

その注目によって与える影響力についても理解した上で発信してほしいです。

こんな内容の記事を投稿すると、この記事への賛否のご意見があるかと思います。

それも当然の流れかと承知しています。

しかし、特に医療従事者として、当サイトでは今後も根拠に基づいた正しい知識の発信を心がけていきます。

それではまた。

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看護師S田さん
看護師S田さん

京都大学卒業後、とある病院で看護師として勤務しながら、看護師の知識向上のため、「ナースイッチ」を創設。日々臨床と研究を両立しながら看護に向き合っています。

コメント

  1. takujioyama1970 より:

    こんばんは。当方、感染症は素人ですが、生命に関する分子レベルの基礎研究をしている身として、エンベローブウイルスの感染機構(飛沫による侵入から膜融合、その後は宿主のセントラルドグマ乗っ取りなどやりたい放題)とそれを踏まえた感染予防策はかなり明確であるにも関わらず、一向にSARS-CoV2感染が収束しない理由は、その明確な(一歩踏み込んで言えば単純な)予防策の重要性が根本的に理解されていないのであろうな、と想像すると、「もや~」とした気分になります。私がわめき散らしても何ら説得力がないので、専門家からの信頼できる発信情報が多くの人に正しく伝わることを願います。お邪魔しました。

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