在宅で看る。児童精神科×訪問作業療法~輝くナースの活動紹介~Vol.3

看護師

病棟で勤務している看護師にとって、自宅での姿は想像のつかないことが多いです。

また、看護師の目線以外の関わりも知っておくことで、病棟での関わり方に生かせるきっかけになります。

ということで、輝くナースの活動紹介の第3回にして、早くも他職種の作業療法士さんの登場です(笑)

そこまでしてでも紹介したいくらい熱量のある素敵な方と出会ったので、この企画に参加していただくことにしました!

今回紹介するのは、訪問作業療法士のたもんさんです。

それでは早速いきましょう!

訪問作業療法という関わり方

―訪問作業療法というお仕事について教えてください。

訪問の作業療法士は、訪問看護ステーションに所属していて、医師の指示書に基づいてOTの導入をしていきます。

依頼は小児と高齢者のリハビリで若干違います。基本的にはケアマネージャーからご依頼を頂きます。小児のご依頼の場合は支援相談員からご依頼を受けます。

受けた後の流れとしてご依頼の日時や支援内容の要望を聞き、事業所として対応できるかどうかを判断し、クライアントに対して契約前に治療方針や提案を行います。

同意頂ければ、契約を行い、利用を開始していただく流れです。

普段は高齢者のリハビリで身体が弱らないように運動を取り入れる介入を行うことが多く、麻痺のある患者さんへの介入もあります。

小児の依頼で多いのは、障がい者支援施設の相談員経由や、病院のソーシャルワーカーの方からのご連絡です。あとは、利用している方のママ友からの口コミによるご紹介などがあります。

作業療法に使用する備品の多くはセラピスト本人が持っていくので、僕の場合は大きなリュックにパンパンに道具を詰め込んで訪問しています。

資材を潤沢に準備出来る施設での作業療法との大きな違いはそこにあります。

勿論、訪問リハビリの為ご自宅にある物を使わせていただく機会も多いです。

私の場合は、自分で使えそうなアイテムを買ってみて試して、良い物を活用していくようにしているのでだんだん増えていってしまっているのが最近の悩みです(笑)

―ちなみにお気に入りのアイテムはありますか?

僕がよく使うのは、セラプラストというシリコンの粘土です。

ご高齢者のリハビリでは手指や手関節の可動域訓練、感覚入力の訓練、食事動作の訓練等に利用します。

子供のリハビリでは、感覚統合療法や手指の巧緻性やピンチ力を鍛えるのに使います。

そして実はこれ、粘土の色によって硬さが分かれているんです。

訪問での作業療法では小児〜ご高齢者までと対応出来る範囲が広く、手軽に持ち運べるので、一番愛用している物品です。

(とても真面目で熱心な姿がとても素敵です!!みなさんもお気に入りアイテムがあればコメントで教えてください!)

在宅で出会う児童精神患者さん

―どうして児童精神科に興味を持ったのですか?

正直なところ、元々僕自身が児童や精神科に興味があって訪問作業療法を始めた訳ではありませんでした。

しかし、たまたま他の職員からの引継ぎなどの都合で小児や児童の年齢の患者さんを受け持つようになって、そこから徐々に関わる機会が増えていきました。

在宅ではASD、ADHD、脳性麻痺などの疾患の方を基本、週に1回ずつ程度の訪問でフォローしていっています。

児童精神の領域では不登校や引きこもりになった児童の方に実施することもあり、まずは関係構築が課題になります。

また、細かい文字がうまく書けない、ボタンが留められない、紐が結べない等、日常生活の困りごとを親御さんに聞きながら必要に応じて支援していきます。

あとはSTの領域になりますがOTの方で言葉の発達をフォローできないかという依頼もあります。

(なるほど、かなり多岐にわたる依頼が来るんですね。)

やりがいや難しさ

―訪問作業療法のやりがいや難しさを教えてください。

児童精神や発達の利用者さんは、成長過程を一緒に追える為、そこにやりがいを感じています。

「出来なかったものが初めて出来るようになる。」場合によってはその場に立ち会うこともあります。子育てはしたことありませんが、とても感動します。

難しいところとしては、対象が子供なので、こちらが目標に対して促しても、発達段階によって理解が可能な子と発達段階の時期や疾患の特性として理解するのが難しい子がいたりします。

基本的に子供は自分の興味のある物、やりたい事に対して能力を発揮します。

こちらから行動の強制はできないので、こちらがしてほしいことへのやる気や興味をどう引き出すかはとても難しいです。しかし、個人的にはそれが児童精神または発達分野の醍醐味の一つであると考えます。

その難しさが面白さでもありますね。

まとめ

実はS田がたもんさんと出会ったのは、看護師が多数集まるイベント会場でした。

看護師がたくさんいる中で、児童精神に興味があるからと、臨床にいるS田の話に耳を傾けて熱心に質問してくれたり、ご自身の学習や研究への想いを聞かせてくださったり、とても心に響く出会いになったと感じています。

精神科病棟にいるS田からも、自宅で、しかも作業療法士さん目線で見る患者さんはとても新鮮で参考になります。

今後もまだまだ向上心を持って活動なさっているたもんさんのTwitter アカウントはこちら↓

たもん"地域の小児作業療法士" (@dolphin49295) on X
回復期→訪看→自費発達支援リモート予定 発達支援メインの作業療法士 地域で生活する子供、親御さんを支える為の専門家 ※あくまで個人の意見を呟きます

最後まで読んでくださってありがとうございます!

前回までの輝くナースの活動紹介の記事はこちら↓

次回は大物ゲストが登場です!

お見逃しなく!

看護師S田さん

エビデンス中毒、いわゆる「エビ厨」を自称する京大出身の生意気な看護師。
「根拠に基づく看護(EBN)」の普及のためにNur-switchを設立し、論文レビュー記事から雑記ブログまで幅広く執筆。
臨床に立ちながら精力的に記事を更新中!

コメント

  1. neco333 より:

    😊🌈👍

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