病院以外でも働ける!2021年版、看護師の働き方

看護師

「学校を卒業したら、まずは病院で働いて、ある程度看護技術を付けてからやりたいことを考えよう」と考えて病院に入職した看護師さんは多いのではないでしょうか?

実際私自身、病院で働いていた時にそういう人がたくさんいると感じていました。転職を考えようにもどんなところで働けるのかなどはほとんど学校では習わないですよね。

今回は看護師がどんな場所で働けるのかについて解説していきます。

病院以外で看護師が必要とされている場所

看護師がその看護技術・医療的知識を求められ、活躍できる場所は本当に様々です。

具体的には、病院以外では以下のような場所で看護師は働くことが出来ます。

分類具体的な場所
1.在宅医療・施設老健、特養、デイサービスなど老人福祉介護系の施設・訪問看護、訪問入浴など・放課後デイサービスなどの児童福祉施設
2.美容系美容クリニックなど
3.健診・献血系健診センター・献血センター
4.治験関連治験コーディネーター(CRC)・臨床開発モニター(CRA)
5.産業看護師産業看護師として企業の医務室などに勤務
6学校保健小中高の保健室・大学の保健センター・保育園
7.看護教育係看護学校や大学の教員
8.医療系の企業クリニカルスペシャリスト
9.救護関係ツアーナース・イベントナース・シップナース
10.その他国境なき医師団などの海外派遣など

1.在宅医療・施設

病院で勤めていた看護師さんは、患者さんが退院した後どんな暮らしをしているのか、在宅での様子や暮らしぶりが想像しにくいと思います。

患者さんの生活により関係した仕事がしたい方には介護福祉系が向いています。高齢者ばかりを想像しがちですが、訪問看護は小児や精神科患者を対象にしている施設もあります。

老健や特養は夜勤もしくは宅直があります。宅直とは、オンコールとも言い、自宅に待機して夜勤をしている介護士さんが判断に困ったときなどに電話をして看護師に指示を仰いだり必要時看護師が出勤するなどといった形態のことです。

デイサービスや放課後デイサービス(放課後といっても、放課後の時間だけでなく朝から通う子供さんもいます。)は日勤のみで残業もほとんどないところが多いため、ママさんナースに人気です。

2.美容系

美容系もクリニックですが、大きく美容皮膚科と美容外科に分かれています。

皮膚科は脱毛や点滴が主になってきます。美容外科は主に美容整形手術などの介助や経過観察、患者さんへの説明や精神的フォローなどです。

日勤だけですがお給料が良いことが魅力的です。患者さんへの営業など慣れないことがあったり、人間関係の悩みなどが多々あるそうですが、美容が好きな方は力を発揮できるお勧めの職場になります。

3.健診・献血系

健診センターには病院の関連施設の健診センターや一般の健診センターなどがあります。

日勤のみで身体的負担が少なく、難しい医療技術を要しないことが多いです。献血センターは日赤の献血ルームなどで採血を主に行います。

献血に来る方は健康な人ですが、献血後の体調不良などを起こす可能性も大いにあるため、臨機応変な対応を求められます。

4.治験関連

治験コーディネーター(CRC)とは、簡単に言うと治験をサポートする仕事です。CRCの主な仕事は治験参観者を集め、説明を行ったり、実際の治験で細かい条件を統一できるように管理したりすることです。看護師以外にも臨床検査技師や薬剤師の方がなる場合も多いです。

病院の治験部門で勤める場合と一般のCRC業務を委託されている企業に勤める場合があります。近年の薬品開発のスピードに対してCRCの数は不足してるため需要がある職業になっています。

臨床開発モニター(CRA)とは、治験が正しく行われるように調整する仕事です。CRCと似ていますが、CRAはCRCや医師に治験の説明を行い、治験が滞りなく計画通りに行われるように調整します。

つまり、CRCは被験者と直接関わりますがCRAはほぼ被験者と関わりません。CRAを専門に行っている企業に就職して勤務することになります。

5.産業看護師

産業保健師と似ています。保健師資格があればなお有利ですが看護師資格があれば働くことが出来る職場も多いです。企業の医務室に勤務し、社員の心身の健康の維持につとめます。

近年鬱などのメンタルヘルスケアを要する人が増えていますので需要は必ずあります。

6.学校保健

多くの小中高等学校が保健室看護師ではなく養護教諭として募集を行っていますので、養護教諭の資格を持っていると有利です。

ただ、支援学級がある学校や支援学校には看護師資格を有するスタッフを募集していることがあります。

大学の保健センターは、大学生だけでなく大学職員の健康も守る仕事になります。養護教諭と産業保健師の仕事の二つの要素があります。

保育園では0~1歳児を担当することが多いです。保育士と仕事内容は似ていますが、子供の怪我や予期せぬ急変などには看護師の経験と知識が求められます。

7.看護教育関係

看護学校などの教員です。ご自身が学生の時の教員をイメージしていただければ良いです。看護師教育に力を入れているご時世なので需要が高まると思われます。

8.医療系の企業

医療機器や物品の営業を行ったりそれをサポートしたりします。

開発企業は医療職でない人が多く、現場でその機材を使う看護師や医師の視点がより良い商品や営業を行うのに不可欠です。そのため元看護師の需要は常にあります。

9.救護関係

ツアーナースは常勤というより派遣や単発での募集が多いです。イベントナースで有名なのはディズニーランドなどでしょうか。

こういったイベント施設や豪華客船などのシップナースは看護師としての技術だけでなく、お客様をおもてなしするホスピタリティも求められています。産業看護師の側面も持つため、仕事内容が多岐にわたります。

いずれも病院では経験することのない接客や対応などがあり、慣れないと戸惑うかもしれません。

10.その他

国境なき医師団は少しお給料は貰えるそうですが、ほとんどボランティアの意味もあるので期待しないほうがいいと思います。

海外の貧しい地域で医療技術を磨くなどの経験をしたい場合はとても良いと思います。そのほかにもボランティアとして看護師を募集する団体はありますので、興味があれば調べてみてもいいと思います。

看護師の経験が活きる理由

看護師は医療に関する知識だけでなく、患者さんの生活やその人に関する全体を見てケアを行うという素晴らしい技術を持っています。しかも対象は赤ちゃんから老人まで様々です。

医学的知識に加え、全体を統合し調整する力は、とても応用が利くため多くの職場で必要とされます。だから看護師経験は活きるのです。

病院以外で働くなら気を付けたほうがいいこと

病院勤務では夜勤や残業などがありますが、病院以外の場所で夜勤・残業がない職場になると給料が減ってしまうことが多いです。そのことは念頭に置いたうえで、自分が次の職場に何を一番に優先して求めるのかを明確にして転職先を探して下さい。

また転職先によっては関わる対象が患者さんや利用者さんではなく、お客さんであることもあります。その際は接遇マナーを意識する必要があります。

自分のライフスタイルに合わせ、看護師経験を活かそう

看護は多角的な視点を要する職業であるため、今までの看護師経験が活きる職場はきっとあります。そういったところで自分のキャリアを伸ばすのも良いですし、全く違うフィールドで心機一転仕事をするのも良いと思います。

社会人になってから勉強をし直したり資格を取ったりする人はたくさんいます。キャリアを切り開くのは自分自身です。自分が楽しいと思えるお仕事を探してみてください!

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看護師S田さん
看護師S田さん

京都大学卒業後、とある病院で看護師として勤務しながら、看護師の知識向上のため、「ナースイッチ」を創設。日々臨床と研究を両立しながら看護に向き合っています。

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